生きがいを失った痴漢加害者たち
引用
逮捕され、幾度となく反復してきた加害行動にようやく歯止めがかけられたことによって、彼らは〝生きがい〟を失ったというのです。これにはプログラムのスタッフもしばし唖然としました。しかし、日常的に彼らと接しているからこそ、それが本音に近い回答だと実感できたのです。
彼らはそのことを朝起きてから夜寝るまで、つまり一日中考えています。仕事をしていても、家族と一緒にいても頭から離れることはありません。事前の準備も熱心にこなし、頭のなかで何度もシミュレーションし、もしかしたら捕まるかもしれないというスリルとリスクのなかで欲望を満たします。膨大なエネルギーを痴漢行為のみに費やす日々を送っているのです。ひと言で表すなら、それは〝生きがい〟となるのでしょ
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感想
痴漢は、加害者にとって「生きがい」だった、、という回答はショッキング。まじでやべーなと思う一方、こういう形でしかストレスを発散できない男社会の問題って、めっちゃ大きいなと感じる。
そういえば、『誰がために医師はいる』の著者が「仕事が忙しいときはゲームが生きがいだった」といったニュアンスのことを話していたことを思い出す。あまりにも現実がつらいと、依存している行為・対象に逃避する。人間は逃避する生き物なのだ、ということを思い出した。 余談だが、この回答を引き出した精神科医の質問がすばらしいかった。痴漢をやめたことで何を得ましたか?という質問だと、回答がしっくりこない。何を失いましたか?と質問すると、「生きがい」という唖然とする回答が引き出せた、という。 #失ったものを語る