自閉症の脳を読み解く テンプル・グランディン
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著者について
自身が自閉症でありながら科学者(動物学者)
締め付け機で有名
概論
幅広い見地から余計な先入観を取り除いて自閉症を見てる態度が伝わってくる。
第一章 診断名の問題点
自閉症の歴史を振り返る。
カナーの考え方
DSMの変換
アスペルガー症候群
自閉症は本当に増えているのか?
第二章 脳画像による新発見
脳を探求する装置
機能的MRI
拡散テンソル画像法(DTI)
機能的接続性MRI
脳画像によってわかったこと
顔よりも物に対する関心の高さ
大きい扁桃体
頭、脳の発育が平均より大きい
人と目を合わせない
自閉症の人は、相手が目を合わせようとしないときにふつうの人が感じるものを、相手が目を合わせたときに感じるのだ。
接続過剰と接続不足
中枢的な部分が各部からのメッセージを統合できないということになる。
原因の非同質性
行動の非同質性
バイオマーカー
ハーシュによる成長の初期段階での脳の発話を司る部分の測定
自閉症の脳と通常の人の脳のパターンの相違を調べる試み
第三章 遺伝子との関係
自閉症ゲノムプロジェクト
単一遺伝疾患
ダウン症
コピー数多型
デノボ変異
デノボのコピー数多型をもっていたのは、自閉症のきょうだいがいない自閉症の子どもで一〇パーセント(百人中十二人)だったが、自閉症の病歴のない子どもでは一パーセント(百九十六人中二人)しかいなかった。
刺激過敏遺伝子
この遺伝子が7回反復する変異を持つ子どもは感受性が豊かになる。
不安やうつ、癇癪、ディスレクシア(識字障害)、ADHD、偏頭痛、脅迫的行動、自閉症との関連が指摘されている。
第四章 まわりの世界に対する感受性
感覚過敏問題について
もしくは自閉的な傾向について
感覚処理問題
タイプ別分類
感覚刺激を求めるタイプ
感覚刺激に対する反応が過剰なタイプ
感覚刺激に対する反応が過少なタイプ
後者の二つは同じ人間に共存してるかもしれないという指摘
自己申告による著者の調査
人間の五感を導入しての詳細な分析
第五章 「診断名」の限界
診断について
自閉症スペクトラム指数
現状の診断の問題点
DSM改定により研究対象が変わるという問題
自閉症をもっと細かい単位(サブグループ)に分けるという提唱
症状自体に着目した研究にシフトすべきという提唱
第六章 神は細部に宿る
自閉症児の発想の仕方
豊かな連想力
第七章 パターンで考えるタイプ
この章では自閉症から離れて人間の思考のあり方についての考察を進めている。
パターン思考
視覚思考の二つのタイプ
空間視覚思考者と物体視覚思考者(マリア・コジェヴニコフ)
脳の視覚経路が2つ存在すること(視覚思考の二つのタイプの脳神経学的裏づけ)
背側経路
復側経路
パターン思考⇔空間視覚思考
視覚思考⇔物体視覚思考
第八章 活躍の場を切り開く
教育について
一万時間の法則
脳の可塑性
強みを見つける
思考様式のパターン別に考える
画像で考える子ども
パターンで考える子ども
言語・事実で考える子ども
就労に向けて