人間の本性を考えるーー心は「空白の石版」か
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著者について
スティーブン・ピンカー 専門は人間の言語獲得過程について
2004年には米タイム誌の「最も影響力のある100人」に選ばれた。2005年にはプロスペクト誌、フォーリンポリシー誌で「知識人トップ100人」のうち一人に選ばれた。
邦訳されてる著書
言語を生みだす本能
心の仕組み――人間関係にどう関わるか
人間の本性を考える――心は「空白の石版」か
思考する言語 ――「ことばの意味」から人間性に迫る
暴力の人類史
チョムスキーからの影響を大きく受けている。
チョムスキーについて
アメリカ合衆国の
哲学者
言語哲学者
言語学者
認知科学者
論理学者
著書
文法の構造
デカルト派言語学 合理主義思想の歴史の一章
文法理論の諸相
現代言語学の基礎
知識と自由
言語と精神
生成文法の意味論研究
言語論 人間科学的省察 などなど
時代背景
本書が出版されたのが2002年。邦訳2004年。
ヒトゲノム計画が明らかにしたのは人のゲノム配列のみであり、個々の遺伝子がどのような役割を持つかについては未解明の部分が多い。
当時は氏か育ちかに決定的な証拠はなく、このような論争本が出回ったことはありうることかなと思われる。
参考
2018/06/24
読み始めた
第一部を鳥瞰する
第一章 心は空白の石版か
ブランク・ストレート(空白の石版理論)のそもそもの始まりについて述べられている。
ブランクストレート説について
ホッブス
ルソー
ロック
デカルト
第二章 ブランク・ストレートアカデニズムを乗っ取る
ブランク・ストレート(空白の石版理論)がいかに科学界に影響力を与えたか、について述べられている。
文化本質主義
メタファー
第三章 ゆらぐ公式理論
心が空白の石版というのを公式理論として、それを塗り替える近年の科学的成果について述べられている。
認知神経科学
遺伝子(行動遺伝学)
進化心理学
第四章 文化と科学を結びつける
大三章の結果を受けて人間の文化を科学的に説明をする試みが述べられている。
直観心理学
素朴心理学
心の理論
社会心理学
情報志向
基準志向
文化間の差異について
第五章 ブランク・ストレートの最後の抵抗
複雑な人間性が存在する可能性があることを疑わせるものとして解釈される場合がある、最近の科学的成果について述べられている。
ヒトゲノム・プロジェクトの成果
脳の超可塑性
見えてきた争点
第一部を読んでみてこの本が書かれたそもそもの目的が見えてきたような気がする。
アカデミックな界隈では心は空白の石版であり、人間は経験から物事を学ぶという強い経験主義(生得論/経験主義)の考え方が優勢だった。 ところが近年その仮説を覆す科学的発見が相次いだ。
しかし人間には生まれ持った性質があると主張しようとすると不当な攻撃に晒された。
この本はその論争に対して生得論から反撃を試みる。
とはいっても著者は産まれてからの学習の過程を全否定してるわけではない。