ユーザーとともに創るサービス
新サービス向けのプロジェクトの話
今日の目的
新規サービス・事業を作るときに「ユーザーと一緒に作る」にはどうすればいいのか?
同じ方向を見て、目指す
あたりまえじゃんと思うけど
運営はユーザを見てる
ユーザはサービスを見てる
つまり、同じ方向を見ていないkadoyau.icon
自己紹介(どのようにコミュニティサービスと関わってきたのかの紹介)
20年ぐらい前のHN
コミュニティサービスとかメディアをやっていた
p.8 16歳 呪いのサイトリリース
アクセスカウンターが回るのが楽しかったので、5人に見せないと呪われるという設定のサイトを作った
チェーンメール的なやつ
結果、人を呪いたい人にはやった。数百件(聞き間違いかも)とか書き込みがあつまるようになった
ある日、霊媒師からメールが届く
「このサイトには良くない気が漂っているから削除したほうがいい」
霊媒師でなくてもよくないことはわかったので削除した
新たな動きが生まれるのが感動的で、のめり込むようになった
19歳 ミルクカフェリリース
浪人時代
受験の情報サイトがないので作った
5000件/day集まったりした
学生が1人で作ったサイトでも書いてくれたりボランティアのコーダーがきたり
21歳 したらばの社長に就任
掲示板
アクセスは伸びたけど収益性がなかった
2002年(?)3億 PV/mo.
livedoorに譲渡
当時yahooに勝つと言っていたlivedoor、いまはLINEで、Yahoo!と一緒になって何だか不思議
リクルート入社してやったこと
地図ベースの飲食コミュサイト
東工大と電通と共同でブログウォッチャー
ユーザの反応をみてマーケティング活用
偉い人「FBみたいなのをつくれ」→つくった
当時のリクルートのビジネスモデルがユーザー巻き込みと相性が悪かった
店がお金を払ってホットペッパーにのせたのにユーザの悪評がついたら?
ハウツーのWikipedia
KDDIにM&A
漫画サービス
マンガ好きのユーザが集まって紹介する場所
「もっと漫画が売れる」ようなコミュニティ
好きなコマを投稿できる
エンジニアがTwitterで漫画の切り抜きでリプライしてるアレ
違法とは言わないが、権利関係が微妙
出版社の人と話すと「宣伝になるからいい」というような反応が返ってくる
アルだったらコマつかっていいよを出版社と整理
現時点で2000作品ぐらい使える
現在のスマホで「コンテンツを探す時間」は短い
漫画はコンテンツ楽しむまでに15分とかかかる
「かったるいものになっている」
漫画は高級で重いコンテンツ
https://gyazo.com/c12399253faf4277722a4697cf0c7940
マンガ「キングダム」を読もうと思っても、全巻3万円
TikTok 無料
音楽はサブスクリプションで1000円
小説は1冊で3時間とか楽しめる
楽しめる時間/金額が漫画より長いkadoyau.icon
軽くて安い場所(第三象限のTikTokのようなポジション)をどう作るか?
社内チャットでコマを使えば宣伝になる、というようなことができるのでは?
「売る」以外の接点をつくる
コマはGCPでOCRして検索できるようにした
はてなブログでembedできるようになった
売上も伸びるし
ブロガーも喜ぶ
深堀り
アルのビジネスモデル
まだない
でも、スタートアップってお金燃やしながらやりますよね?ってだけではない
ユーザとアルを作っている
月1000円払うとFBグループ「アル開発室」に参加できる
900人ぐらいいる
グループに提供しているもの
こういうの困ってます、とか共有している
「この機能作ったけど迷ってる」
「出版社の人にこういったら、こう返ってきたけどどう思う?」
参加者
スーパー店長
地方の主婦
とか
この人たちはサービスの作り方なんか知らない
関わりたい気持ちはある
1ユーザとして投稿しても反応が返ってこないからつまらない
だんだん熱量が下がる
最終的に「お客さん」になる
「お客さん」は与えられるのを待つユーザーのこと
せっかく熱量が高かった人には開発に関わってもらったほうがいい
FBグループは無料でやってたけど、無料だとだんだん飽きる
有料にした途端すごい勢いで盛り上がってきた
グループ内の活動の紹介:五等分の花嫁、誰がいいかパワポで発表
なにかもらえるわけではない、好きな気持をぶつけるだけ
こういうのに参加した方はほぼやめない
CFの事例
リターンを目的にCFやると、単なる事前販売になるのでやってはいけない
このCFはマンガ読んでないとできないCF
お金を払うとタグづくりに参加できますというもの
普通、給料をもらって仕事をする
お金を払うと仕事ができる(という変な構造な)のに、すごい売れた
なぜ?
今やっている仕事は、自分にとって一番楽しい仕事じゃないという人がいる
そういう人たちの中に、好きな漫画やサービスに関われると嬉しい、という人がいる
もちろん、お金をもらってタダ働きさせようということはさせたくないので、過程を楽しむ設計はする
その後ユーザ同士が勝手にコミュニティをつくって成果物が送られてきたりする
物語思考
サービスを使うことではなく、「サービスができていく物語に参加する過程」が大事
運営とお客さんを分けて、精度高く出したのに、お客さんが離れる経験をした
できていく物語がファンを作る方法
カゴメは2%のユーザに支えられている
トマトジュースを飲む頻度、普通の人はそんなに高くない。月1とか?
一方で、1日何本も飲む人が結構いる
ファンになってもらってお金と時間をつかってもらう
なぜ物語が重要?
質がコモディティ化している
ここ10年ぐらい顕著
食べログのローンチは2004年とか。そうすると、外食でどこいってもだいたい美味しい
食べログ前は結構外れもあった
レビューが低い店は潰れて淘汰される
美容師・ネイリストもレベルが結構上がってる
レストラン型よりも「BBQ型」のほうが楽しい! by キングコング 西野
BBQは「4000円払って肉を焼け」というシステム
普通に考えると「お金払ってるのになぜ肉を焼くのか?」となるのに、なぜBBQをするのか?
自分で焼いたほうが美味しい(と思う)し、会話もできて楽しいから
「目指している物語をお互いに共有する」のが大事だと思う
「アル開発室」
うまくいきました、とかは反応ない
ピンチです!とか「やばいです」「お金がないです」のほうが圧倒的に受ける
参加者から「こうしたほうがいいです」「毎日宣伝します」のような反応が返ってくる
普通の物語と同じで、ちょっとアップダウンがないとだめ
これを大事にすると、いろいろな前提が覆る
普通の考え方:サービスの完成度は高いほうがいい
理由:完成度が低かったら、レビューが低くなるし、ユーザはがっかりする
物語思考なら、サービスの完成度は、最初は低いほうがいい
最初から高いと、気持ちが「お客さん」になる
「19際の学生が作ったサービス」で、いろいろ粗があったものをみたときにどう思うか?
「こうすればよくなるのにな〜」となる。気持ちが作り手になる
ガンガン失敗したほうが物語が転がる
物語的に考えると失敗したほうがいい
ピンチのときのほうがユーザが盛り上がる
アル開発室をはじめたら、社員の行動が変わった
「先週より5%よくなりました」→ウケない
チャレンジをしないといけないという圧が高まる→仮に失敗しても→おもしろいから売上も上がる
ITベンチャー、失敗を避けがち
社員も怒られるのでチャレンジしない
一方、アル開発室ではガンガン失敗しないとウケないので、開発者(運営)が自主的に面白いことをやるようになる
少年漫画編集者「来週どうなるかわからないぐらいピンチになるとウケます」
作者がわかって描くと見破られてウケない
作者もどうしようと思っているとめちゃくちゃ人気が上がる
ハラハラ感は人気に繋がりやすい
このときマンガ家も追い詰められている
お客さんでなく運営者
ユーザとの付き合い方も変わる
バグが有って報告されると、どうしても開発者はお客に謝る
お客も謝られるので「ちゃんとしろよ」と思ってしまう
お客さんではなく(kadoyau.icon注:本当はお客だけれども)「運営者」だと思うと、対応が「ありがとうございます」になる
「運営者」は自分の要望が
受け入れられなかったら「なんかあるのかな?」と思う
受け入れられたら嬉しい
他社例(昔聞いた話なので今はどうかしらないという断り付き)
cookpad
ユーザーTop 100 数ヶ月必ず電話で話してユーザーヒアリング
食べログ
ユーザー上位数百人とレストランにいったりして話を聞いたりしている
インスタグラムのグロースハックをやってる人「インスタグラマーと飲み会をひたすらした」
FacebookってABテストしてそうなので意外だった
「毎日飲み会世界中でやってるの?」「そう」
ABテストは当然やっているはずなのは注意kadoyau.icon
インスタグラマーは運営の目線になる
「ここは足りてないので、私達の力で補おう」
「とはいえ上位ユーザーだけを見ても失敗するのでは?」
上位数100とか1000人とかでかなりの割合をしめる(という話を聞いた)
Wikidedia 40万記事あるが、書き手が1000人いない
まとめ
あらゆるサービスの品質が上がった。どのサービスもちゃんとしている
メッセージアプリ、どれつかってもメッセージも写真も送れる
クオリティが低くてもユーザと作らないと、近所の美味しいレストランだけどファンにはならないからいかない、というかんじになる。