ミュンスター彫刻プロジェクト
ドイツの現代彫刻プロジェクト。カトリックの伝統が色濃い大学都市ミュンスターにおいて、1977年以来10年に一度、夏の約3か月間開催される。ノルトライン・ウェストファーレン州立美術館、ミュンスター市、ノルトライン・ウェストファーレン州立美術・文化財団によって共同主催され、初代のキュレーターはドイツ美術界の重鎮カスパー・ケーニヒKasper König(1943― )。アーティストを街に招聘(しょうへい)し、サイト・スペシフィック(美術作品が特定の場所と分かちがたく結びつくこと)な方法をとり、旧市街や公園など街のいたるところに設置された作品を見に訪れる人々により、プロジェクト期間中、古い街は活況を呈する。住民にとっても、アーティストが街といかにかかわったかを確認でき、また日常的にアートに触れる絶好の機会となっている。しかしこれまでの道は必ずしも容易ではなかった。むしろ困難な状況を乗り越え、長期的に街と対話を重ねることでプロジェクトが育ち、また街を育ててきた。
ミュンスター彫刻プロジェクト(Skulptur.Projekte)は、ドイツ連邦共和国の北西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市ミュンスター(Münster)で、10年に一度夏の間だけ開催されるアートイベント。公共空間と芸術作品の関係がテーマで、芸術家が事前に町に滞在し、町や住民のことをよく調査した上で作品と設置場所のアイデアを出し、滞在制作し作品を設置するというやり方を1970年代から取り入れていたことが特徴。1977年に第一回が開催され、以後1987年、1997年、2007年、2017年に開催された。
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幅允孝さんが「カスパー・ケーニヒの言葉を借りるならば」と前置いてから 世界中のアート好きの人のためではなくて、ミュンスターに住んでいる人たちの日曜日の散歩が楽しくなるための現代美術
といったコンセプトを紹介していて興味をそそられた。
ミュンスターの街の人々がアート作品に詳しくなって、観にきた人に対して「こっちこっち、これだよ」みたいに近所の人が教えてくれる。なんてことが起きるらしい。
幅允孝さんは「人がいる場所に、本を持っていく」という活動を進める中で、このプロジェクトのことを思い出すとのこと。 アートが街に入り込んでいる日本の直島では、小学校の教室のうしろの壁に張られている「なりたい職業ランキング」の 5 位とか 6 位に「アーティスト」が食い込んでいたりするらしい。これも幅允孝さんからの紹介。