関係論的なアプローチ
「ゴミ箱ロボットなのに、自分でゴミを拾えない」「お話ロボットなのに、あらすじを忘れてしまう」……このように、自分だけでは本来の役割を達成することができない〈弱いロボット〉が注目を集めています。
研究・開発しているのは、豊橋技術科学大学の岡田美智男教授らの研究グループ(ICD-LAB)。これまでの〈弱いロボット〉を通して人々からどのような反応があがったのか。そしてロボット以外にも、スマホやタブレットなどモバイルデバイスがどんどん浸透し、利便性の追求が進むデジタル社会において、デバイスに「弱さ」「不完全さ」を備えることは、社会にどのような恩恵をもたらすか。岡田先生にお話を伺いました。
ロボットは「こんなこともできる、あんなこともできる」「ロボットだけでできる」とアピールしてきたわけですが、実は不完全なところやできないことがたくさんあるものです。弱さを隠さずにちょっとさらけ出してみると、そのへこみの部分がお子さんたちの強みを引き出すポケットになる。
高機能・高性能で自己完結できる従来のロボットは、個体能力主義的なアプローチを取っていたと言えます。一方で〈弱いロボット〉は、関係性のなかで力を発揮します。これを関係論的なアプローチと呼んでいます。
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