話題を選ぶときに安全牌を切りがち
これを受けて自分は、友人や知人、あるいはなんかのイベントの懇親会でたまたま近くにいた人とフリートークする場があったとして、どんなふうに話題を選んでいるだろうか?相手にとって不快な話題を選んでしまっていないだろうか?と考えてみたくなった。
まず、ここ 10 年くらいの自分が会ってお話をする友人知人ってのはブログなり各種ソーシャルメディアなりで近況を発信している人がほとんどだ、と気付く。自分には「宛先として特定の友人を選択して連絡を取る」って行動習慣がなくて、この文章のように「ぼくのことはここに書いておいたから読みたい人は自由に読んで」というスタンスだし、友人知人がブログを書いていると知ればフィードリーダに登録して新着記事を読む。宛先を決めずにブロードキャストで情報を交換するのが好きで、2010 年代はずっとそうやって過ごしてきた。 なんらかの近況を発信している人と会って話す場合は、当人が発信している内容をもとに話を組み立てる。テクノロジと知識でつくられるグッドな体験のページにも少し書いた。当人が「新居の様子です」とツイートしていたら「新居の写真みたよ、素敵なお部屋だね〜」と話しかけるし、当人が「家族が増えました」という記事に犬の写真を載せていたら「ほら、犬の写真を見せてよ」とおねだりする。これはリスクの低い安全牌だと思っている。 ぼくはぼくで自分のことをパブリックな場所によく書いているから、ここの Scrapbox を少しでも見てくれているような人が相手なら難なく共通の話題が見つかるので助かっている。
「相手が誰だとしても、これについて聞き出したい」と思うような話題をぼくは持ち合わせていない。ぼくはそのときに自分が話したいことを話したいし、相手にも話したいことがあればそれを話してほしいという考えだ。
では、ほとんど初対面のような人と話すときはどうか。事前に相手の発信している情報をチェックしてこれないから、その場で話題を探すことになる。少しリスキーだ。そういうときは場の文脈に頼ることを考える。たとえば Ethereum 関連の技術イベントであれば最近の Ethereum の動向について話すのはグッドだろうし、自分が運営に携わっている立場なら「初参加ですか?」「楽しめていますか?」くらいの当たり障りのない話から始めたりする。やっぱり安全牌を切りたいよね。 たまには、ふだんは接点がないような人たちが集まる場に参加することがある。そういった場でぼくにとって心地よくない話題が多いと感じたら、もうその場には近寄らない判断をする。ここは not for me だったね、でおしまい。合う合わないは見極めが肝心。あるいは、聞かれたくないことを聞かれたら「そういう話は苦手です」と明確にノーを示すのも大事だろう。 最後にまとめ。
相手が自ら発信している情報には触れてオッケーなはず、触れるとよろこばれるケースが多い
相手が自ら選んでいる話題はこちらも選んでオッケーなはず
事前情報があまりないケースでは場のコンテキストを確認する
人によって得意・苦手がわかれるような話題は、相手のスタンスを確認した上で慎重に切り出す
ハラスメントになるリスクもあるので、わざわざ切り出さずに済むならそれが無難 苦手な話題が多い場にはそもそも近寄らないのが得策、苦手な話題に遭遇してしまったらノーを明示するのも大事
事前情報などを鑑みて配慮できることは配慮するけれども、配慮によって望ましくない話題のすべてを回避できるわけではないので、各位が「これは話したくない」ってのを伝え合うのも本当に大事だと考えている。