わたしのしずかなウェブ
人々の反応を見てみると、好意的なものが多いように思える。「こんな場所がほしかった」「ここで書いていこうと思う」「うるさいインターネットに疲れていた」とかとか、そういう反応がたくさん見つかる。
ぼくは「ブログブーム!!!」的な雰囲気があった 2006 年くらい?から、新しいブログサービスが登場したらとりあえず登録して最初の記事を投稿して、ってのをたぶん 30 回ほどは繰り返してきたから、記事の投稿が継続するのは稀だよな〜という認知を持っている。
ブログはぜんぜん続かないけど 𝕏 にはなんやかんやで数年間も居座っている、って人間をたくさん知っているので、しずかな場所で自分のペースで 140 文字をこえるような量の文章を生成し続けられる人ってのは 100 人にひとりとかそれくらいの希少種なんじゃないかと思っている。そういう意味で 𝕏 には明るい未来を期待していた。していたんだった。 ぼくは Scrapbox で日記を書き始めた 2019 年には、明確に「ソーシャルメディアとは距離を置く」という方針を決めていた。それ以降ずっと方針は変わっていなくて、2023 年 11 月の今となってはけっこう疎遠になっている。ソーシャルメディアは「街」で、日記は「自室」みたいな、そんな気分でやっている。落ち着いてものを考えるなら自室にいた方がいい。自主的にしずかなウェブをやってきたと言えるだろう。 内省のためのアウトプットを実践しようと思ったら「記事を完成させて公開ボタンを押す」よりは、書いている途中のものもぜんぶ残っていくようなツールがいい。完成させるために書かない。頭の中を整理するために書き出している。 もともと個人ウェブサイトってのはしずかだったんじゃなかろうか。山奥で独りで暮らしているような雰囲気。なので、たまに山を降りていって他人と出会ったときには新鮮なよろこびがあったりして。 それと比べるとソーシャルメディアは、都会の繁華街に建っている、壁の薄い集合住宅みたいなもんだ。個人ウェブサイトを持つこともなくそこで生まれ育った人からしたら、ウェブってのはずいぶんとにぎやかで物騒な場所というイメージになるだろう。「たまには自然が多いところでチルしたいですわ〜」というのが、しずかなインターネットに寄せられる好意的な反応とよく似て見える。 都会暮らしの人が「たまにはのんびりしたい」と思っているのか、もう「田舎に移住したい」と思っているのか。反応がなくてもたんたんと投稿を続けられる人がどれくらいいるのか、興味があるので見守っていきたいと思っている。