あなたがたが望んだことです
小熊英二さん「もうもたない!? 社会のしくみを変えるには」|平成 -次代への道標|NHK NEWS WEB より。
私は基本的には、そう単純に言えないこともあると思うけれども、結局は社会の多数派の意思が、社会のありかたを決めていると思っています。現状および未来は、「あなたがたが望んでいるように」なっている。「こんなはずではない」っていうのは、よく解きほぐしてみると「あなたがたが望んだことです」としか言いようがないことが多いです。
たとえば「専門能力を評価してもらいたい」というのと、「同じ会社に入ったら全員平等に扱ってもらいたい」というのは両立しない。「格差も作りたくないけど、税金も上げてもらいたくない」というのは無理です。「金持ちからまず税金を取れ」というのは感情としてわかる。けれども、「金持ちだけから取れ、自分からは取るな」というのでは社会はもちません。税金は上げてもらいたくないと言うなら、格差が広がって治安が悪化しても気にしないでくださいということです。それは、薄々みんなわかっていると思いますね。
ぼくは 2019-09-19 に小熊英二さんのこの記事を読んで、なるほどなぁと思ったのだった。その後 2019-10-31 のニュース記事で、こんなものを見た。
”有給休暇”中の加害教師4人、休職にして「給与差し止め」の処分が決定 神戸市 | 関西テレビ放送 カンテレ
市民からの苦情を受け、神戸市では起訴される恐れのある職員を休職させた上で、給与の支払いも停止できるようにする条例が、30日施行されました。
ここでいう「市民」が、先の記事でいう「あなたがた」なのかもしれないな、と感じた。でも本当にそんな「市民」なんてものは実在するのかな、って思って Twitter を検索してみたら、この件について Yahoo!ニュース のアカウントがツイートしていて、リプライを見ていったら「実在するっぽい」となった。
https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1189820615441571842
「(私から見て) よくないことをしたんだから、(私が思うような) ひどい目にあって当然」的な、公正世界仮説的というか、そういう人々の声によって社会の形が変わってしまう、まさにその瞬間を見たような気持ちがした。怖いと思う。