2025/5/16
読書記録
完璧な仕事
これは完璧の定義による話だと思うのですが、あえて完璧の定義をあいまいなままにしてみます。
そもそも完璧を定義することはできない気もします。
完璧な仕事に対する憧れがあります。
いつか一度でいいから、自分が想像するような完璧な仕事をやってみたいという願望です。
でもおそらく完璧な仕事をできる日は、僕の場合、そしておそらく大半のおとなには来ないでしょう。
完璧な仕事は、ミスのない仕事とは違います。目的を首尾よくはたした仕事とも違います。
例えば、すべてにわたって仔細な検討をすませ、細部まですべての検証をしつくしたような仕事。
でもそんな仕事をしたらほかの仕事に費やす時間がなくなるし、職業としての仕事が成り立ちません。
だからほぼすべての仕事は及第点を超えた時点で終了させて、次の仕事を着手します。
あるいは完璧な仕事は、仕事をしている時、ゴール地点に立ったときには、その仕事が完璧かどうかわからないかもしれません。
いくら完璧だと思っていても、後から振り返ってみれば些細な粗が見つかることもよくあります。
そうして粗を見つけて修正を繰り返していくと、漸近線のように永遠に仕事の終わりが来ないこともありそうです。
そもそも完璧な仕事とは何か。おそらくそのような定義はできないし、見たこともないでしょう。
完璧な仕事が存在しないからこそ、完璧な仕事を求めていくことで、仕事の質が高まるのかもしれません。
反対に、この世に存在する完璧なものは何でしょうか。
数学の証明は完璧が存在しそうです。あくまでも素人の想像ですが。
テスト問題とその正解も、問題の種類によっては完璧と言えそうです。
でも、100点のテスト答案は完璧でしょうか。
当てずっぽうで書いた答案があっていたり、うろ覚えのところがたまたま出なかったこともありそうです。
そうなると正答率100%でも完璧とはいえない気もします。
そうなると完璧なものは詰将棋のように、クローズドな空間で道筋がすべてみえないと存在しないのかもしれません。