日本自動車車体整備協同組合連合会
令和5年度相談事例10〔日本自動車車体整備協同組合連合会〕
令和6年3月29日 相談事例
公正取引委員会「自動車車体整備事業者の団体と損害保険会社との間における団体協約の締結に係る相談への回答について」(令和6年3月29日)
関係情報
日本自動車車体整備協同組合連合会(略称「日車協連」「JABRA」)のウェブサイト
事前相談申出書(令和5年6月30日)(多分)
「平成5年6月30日」となっているが令和の誤りではないか。
「日本自動車車体整備協同組合連合会代理人」の「饗庭靖之」さんは、下記「報告レジュメ」の筆者と同じ氏名
日本損害保険協会への通知(「令和5年5月吉日」)
次のリンクを叩くと、直ちにWordファイルがダウンロードされると思われる。
(報告レジュメ)饗庭靖之「損害保険における事故自動車の修理工賃単価の決定方法の現状と課題」
日本保険学会 第248回関東部会(令和6年3月8日)
■■ここからセミナー資料■■
公取委の公表内容それ自体について
公取委の説明
独禁法22条で適用除外される
22条本文の要件を満たす
22条ただし書に該当しない
「不公正な取引方法を用いる場合」に該当しない
「一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合」に該当しない
22条ただし書に該当しない理由によれば、適用除外に該当しなくとも、そもそも独禁法違反でないが、説明の仕方の問題
日車協連の側の資料から分かること
平成6年の警告(上記)は、日本損害保険協会に対するもの
今回の相談者(日車協連)は、平成6年警告によって利益を受ける側(その後、損害保険会社に競争してもらえる側)
それにもかかわらず競争の実が得られていない旨の所見があった模様(上記資料)
そのあたりについて、自らの側の共同行為について公正取引委員会に相談するという形で、しかも狭義の事前相談をして自らの固有名詞を明らかにした発表を最終的に公正取引委員会からしてもらう形で、値上げ交渉を可能とし、同時に、独禁法の問題を整理してもらおうという相談であったのかもしれない。(あり得る一つの推測)
今回の発表でも公取委は、損害保険会社の側については、「特定の損害保険会社それぞれ」としており、共同の交渉は認められないことを暗黙の前提としているように思われる。
事前相談の申出書は令和5年6月30日(多分)で、公取委の回答は令和6年3月29日であるが、公取委の文書(事前相談制度)8(1)は次のようになっているので、「全ての資料等を受領してから三〇日以内」であったという形となったものと思われる。(具体的な状況は不明) 原則として、事前相談申出書を受領してから三〇日以内に書面により回答を行うものとする。ただし、事前相談申出書を受領後、回答を行うために必要と判断される資料等の追加的提出を求めた場合には、全ての資料等を受領してから三〇日以内に回答を行うものとする。
以上のことは、日車協連の側から上記のような資料が出ていることを公正取引協会のセミナーでご教示いただいたために分かったもの。
参考
独禁法22条
第二十二条 この法律の規定は、次の各号に掲げる要件を備え、かつ、法律の規定に基づいて設立された組合(組合の連合会を含む。)の行為には、これを適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りでない。
一 小規模の事業者又は消費者の相互扶助を目的とすること。
二 任意に設立され、かつ、組合員が任意に加入し、又は脱退することができること。
三 各組合員が平等の議決権を有すること。
四 組合員に対して利益分配を行う場合には、その限度が法令又は定款に定められていること。
中協法7条
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律との関係)
第七条 次の組合は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「私的独占禁止法」という。)の適用については、同法第二十二条第一号の要件を備える組合とみなす。
一 事業協同組合又は信用協同組合であつて、その組合員たる事業者が次のいずれかに掲げる者であるもの
イ 資本金の額又は出資の総額が三億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については五千万円、卸売業を主たる事業とする事業者については一億円)を超えない法人たる事業者
ロ 常時使用する従業員の数が三百人(小売業を主たる事業とする事業者については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については百人)を超えない事業者
二 事業協同小組合
三 前二号に掲げる組合をもつて組織する協同組合連合会
2・3 (略)
中協法9条の9第1項
(協同組合連合会)
第九条の九 協同組合連合会は、次の事業の一部を行うことができる。
一 会員の預金又は定期積金の受入れ
二 会員に対する資金の貸付け及び会員のためにするその借入れ
三 会員が火災共済事業を行うことによつて負う共済責任の再共済
四 生産、加工、販売、購買、保管、運送、検査その他協同組合連合会を直接又は間接に構成する者(以下「所属員」という。)の事業に関する共同事業
五 所属員の福利厚生に関する事業
六 所属員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供に関する事業
七 所属員の新たな事業の分野への進出の円滑化を図るための新商品若しくは新技術の研究開発又は需要の開拓に関する事業
八 所属員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結
九 前各号の事業に附帯する事業
2以下 (略)
■■(セミナー資料ここまで)■■