令和元年度企業結合事例
令和2年7月22日 公表
ずっと残ると思われる事例集リンク
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shiraishi.icon取り敢えずのまとめ 2020-07-23
その他には特に新しい考え方は直ちには見当たらない。
既存の考え方のもとでの具体的事例として貴重。
1〔ブリストル・マイヤーズスクイブ/セルジーン〕
理論的に新しいわけではないが丁寧に追うことで理解が深まる事例。
2〔TDK/昭和電工〕
先行する別件との関係で複雑であり丁寧に追うことで理解が深まる事例。理論的に特に新しいわけではない。
情報入手について、問題解消措置。違反とまで指摘したわけでない(17頁)。それでも問題解消措置という言葉を用いている。
3〔コベルコマテリアル銅管/古河電気工業〕
複雑に見えるが、特になし。
「黄銅管」が途中で消えているが、競争関係にない模様(20頁(3))。
4〔AMAT/KOKUSAI〕
「世界全体」(28頁)。
混合型だが、需要者が強いので組合せ供給の懸念がない事例(29〜30頁)。
5〔ダナハー/GE〕
供給の代替性の処理を整理するための良い機会(32〜34頁)。特に、顔ぶれが異なることの位置付け。
水平は、単純だが、入門にはよい(35〜36頁)。
混合は、組合せ供給が起こりにくいことの説明が興味深い(36〜37頁)。
6〔トヨタ自動車/パナソニック〕
理論的に新しいものはないが、様々なことが詳細に登場しており、その意味で、丁寧に読む必要のある事例。
トヨタも車載用リチウムイオン電池等の研究開発部門等を持っており本件共同出資会社に移管するようであるが(38頁)、水平の観点は議論されていない。(議論する必要なしという意味か?)
市場画定各種(39〜42頁)。電動車の用途等によって分ける必要性なし(41〜42頁)。
投入物閉鎖による弊害が起こらないこと(45〜46頁2)。
顧客閉鎖について、もともと購入していないので、ということ(46〜47頁3)。
情報入手について、問題解消措置。違反とまで指摘したわけでない(47頁)。それでも問題解消措置という言葉を用いている。
7〔ヒューレット・パッカード/クレイ〕
得意不得意にムラがあっても供給の代替性があれば一つの市場と認める(51〜52頁)。これも、事例5と並び、供給の代替性について整理し直すための良い機会となる。
「世界全体」(53頁)。
その先の内容は、ほとんどない(53〜54頁)。
(先行公表)
(図が増えている)
9〔マツモトキヨシ/ココカラファイン〕
議決権20%超の取得
一体となるという前提で検討。「上記295地域においては、本件行為により、競合関係にあるドラッグストアグループの数が一つずつ減少することとなる。」(73頁)
市場画定各種(70〜72頁)。
競合295地域には、審査時点において出店予定であったものが含まれる(73頁注2)。
そのうち、一定条件を満たす「84地域」について更に詳細に検討(73頁)。
74〜75頁のアとイは相互に排他的であるか否か、明確な記述はないが、75頁4で、「以上のことから、84地域のいずれにおいても」という記述がある。
「経済分析」
10〔三菱UFJ銀行/DZ Bank〕
航空機ファイナンス事業の譲受け(水平型企業結合)。
「世界全体」(82頁)。
その先の内容は、ほとんどない(82〜83頁)。