セミナー資料2026-05
プラットフォーム事業者による利用事業者に対する行為
#セミナー資料
この日のコマの題名
「食べログ事件の確定(上告不受理)を受けて、この事件についてのまとめをし、併せて、一般論として、プラットフォームによる参加事業者への拘束(競争停止的なものを含む)について考える。」
プラットフォームによる参加事業者への拘束を独禁法の観点から考える場合、一般論として、次のいずれの法的構成もあり得る。
競争停止
他者排除
搾取(優越的地位濫用)
食べログ事件の確定(令和8年3月5日 上告不受理決定)の旨の報道を機に
食べログ事件
韓流村対カカクコム食べログ
カカクコムが運営する食べログにおいて、飲食店の評点を計算するアルゴリズムが変更されたことにより自店の評点が下がり損害を受けたとして、焼肉店チェーンを運営する韓流村が訴訟に及んだ事件。
飲食店ポータルサイト取引実態調査報告書(令和2年3月18日)
東京地裁で原告勝訴(差止請求は棄却)、東京高裁で被告勝訴、最高裁不受理。
独禁法24条
東京地裁で、当初は一般不法行為で民事通常部
→ 途中から独禁法24条を追加し民事8部
被告の不公正な取引方法により原告に著しい損害があれば差止請求可能
独禁法24条→79条2項「求意見」
原告の独禁法上の法律構成
他者排除(差別的取扱い)
優越的地位濫用
東京地裁判決
優越的地位濫用に該当と判断(差止めは否定)
仮に差別的取扱いに該当するとしても同じ結論、と判断
「あらかじめ計算できない不利益」
問題のアルゴリズム変更を知らせていない
shiraishi.iconあらかじめ変更の可能性は知らせている
shiraishi.icon「利用して」を満たさない
優越的地位の有無(取引=会員地位の有無)に関係のない行為
参考:有料会員、無料会員、非会員
東京高裁判決
優越的地位濫用と差別的取扱いの両方を否定
「新ロジック」?
あらかじめ変更の可能性を知らせていることに言及
正当化理由的な理由付け
大きな不利益を求めた?(裁判所ウェブサイトPDF48頁)
これを本件についてみるに、第1審原告においては、本件変更等が実施された結果、その運営する本件21店舗の各評点が下落した後、本件21店舗における食べログ経由の来店人数等が減少したこと(補正後の前提事実7⑴)が認められるが、前記第7の3⑷イで認定したとおり、本件21店舗とジャンルやエリア等の条件の下で利用者が競合する非チェーン店と比較して、どの程度来店人数等が減少しているのかに関しては証拠上必ずしも明らかではない。
shiraishi.iconもともと総合考慮の一つの要素であるにすぎないのに加え、正当化理由的な要素を乗り越える事情がなければ違反といえない事案であり、閲覧制限部分も多い判断であるので、これが原告に無理な立証を求めていると批判するのは難しい。
shiraishi.icon「利用して」については判断なし
複数チェーン店対カカクコム食べログ(別訴)
別のチェーン店(1審9社・2審7社)が、同日のアルゴリズム変更について、同様の訴えを提起。1審では差止請求と損害賠償請求。2審では損害賠償請求のみ。(上告・上告受理申立てがされず確定)
東京地裁判決
差別的取扱い・優越的地位濫用の両方について、主に、正当化理由的な理由付けで違反なし。
東京高裁判決
1審判決とほぼ同様。主要部分は1審判決を引用した改め文判決であるが、若干の追加はしている。
コロナ期のマスク問題
新型コロナウイルスQ&A
高額転売問題
様々な価格高騰
「メルカリ、5月15日販売開始の日本マクドナルド社の「玩具付録」を出品禁止決定」
https://about.mercari.com/press/news/articles/20260508_principles/
上限価格の拘束が独禁法の問題となる場合(一般論)
高品質競争を抑制
上限価格に貼り付く(実質的な下限価格となる)
正当化理由
価格拘束の正当化理由を正面から認める機運は過去には乏しかった
事例の出現
日弁連による過払関係報酬の上限設定
日本弁護士連合会「日本弁護士連合会臨時総会議案書」(平成23年2月9日)53頁
コロナ期のマスク問題
「再」販売価格拘束ではない → 一般指定12項
白石忠志「パンデミックにおける高価格と法」