01_2025
授業の目標はシラバスの冒頭のとおり。
「独占禁止法(独禁法)について、具体例を踏まえた体系的理解を得ることを目標とします。」
成績評価について
司法試験対策のための授業にするつもりはないが、法科大学院での学修成果の確認のための出題が20年近く蓄積されているわけであり、学修のために有用であることは当然である。
基本を押さえ、短文を書けることが、まずは必要。
その上で、現代的・実務的・発展的・応用的な問題への入口も紹介するような授業となればよいと考えている。
授業の基本的な内容
独占禁止法に関する標準的な状況を、体系的に整理して伝える(学生は、それを理解して応用する力を身に付ける)
「体系的に整理して」の部分が、「通説」「公取委実務」には、欠落している。
「受験界通説」「出題趣旨」も、「通説」「公取委実務」に合わせようとしている。
たまに、「公取委実務」に沿わないことが言われていることもあるが、それはまた別の問題。遭遇したら、指摘する。
したがって、「受験界通説」「出題趣旨」に従い、司法試験でAがくる答案を定期試験で書いても、「体系的に整理して」いないために「経済法」(白石)の成績は良くない、ということは、あり得る。授業に参加し、理解を深める、ということをしていないことの徴表であるから、当然であると考えている。
もし、私の説明を批判・改善した答案であるなら、良い成績評価となることもまた、当然である。
参考:公正取引協会のセミナー
公正取引892号(2025年2月号)82頁、83頁
授業の具体的な目標
基本を理解する
単純な事例を理解する
公取委公表文書や判決文などを一緒に読んでいく
意味を正確につかむ
どういうところにどういう論点(執筆者の「思い」)が潜んでものであるのかを知る
(個々の参加者に委ねられることであるが)そうして理解したことを短文で書くトレーニングをする
書くことが、理解につながる
小泉悠『情報分析力』
短文を書けない人に、長文は書けない。
「勉強方法の一例」(11k10-11)
規範
教科書でほぼ網羅
適用事例に多く接することで理解を肉付けする
教科書
参考
教科書ではないが、『法律文章読本』に書かれている内容のうち、条文の読み方や、公用文のルールは、知っておいたほうがよい(がこれまで法学部・法科大学院で教えられてこなかった)内容であると考えている。司法試験の問題も、公用文ルールで書かれている。(司法試験は、法務省の行政活動である。)
質問
なるべく授業時間中に随時。
個別性の高い質問など、授業時間終了後でもよい。特に金曜日。
授業の構成
各論1周目 → 総論 → 各論2周目 → 発展的総論 → まとめ の順
第26回は、教室では実施せず、後日、オンデマンド教材を置く予定。
授業の進行
基本的な枠組みは、教科書(関係する頁を指示)で得てもらうことを基本とし、授業時間中は、「公取委公表文書や判決文などを一緒に読んでいく」になるべく時間を使うようにする。
『独禁法講義 第9版』の時代に作成したYouTube講義がある(第10版の際に資料を補訂)。新しい事象は拾われていないが、有用かもしれない。ただ、「各論1周目」から始まる構成ではなく、今年度の授業とは合わないかもしれない。(独禁法の講義2022_10k) 今年度は、Scrapboxで教科書(11k)の頁を示し、要点を文字で書いていくつもりだが、今後の状況次第で、変えていくことはあり得る。
第1回
教科書第1章〜第3章(11k1-32)に相当する部分を簡単に。
特に、法執行(11k12-27)
11k1-4の4類型
https://gyazo.com/d24d28dcdd7c560bfbb2b8377928fcde
第2回
この授業には関係がないが、質問が多いので