包括的性教育
en : comprehensive sexuality education
同義 : 包括的セクシュアリティ教育
略 : CSE
性教育の 3 つのカテゴリにあるように、性教育 (sexuality education) のカテゴリのひとつ
本 wiki では comprehensive sexuality education の訳語としているが、場合によっては holistic sexuality education も包括的性教育と訳されることがありそう
ユネスコなどが 2009 年に作った性教育についての指針 「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」 の中でもこの言葉が使われている
2017 年に翻訳された
改訂版の 「国際セクシュアリティ教育ガイダンス 【改訂版】」 では、「包括的性教育」 ではなく 「包括的セクシュアリティ教育」 という言葉になっている
初版の 「ガイダンス」 では、“sexuality education” を “sex education” (性教育) よりも包括的なものとして 「セクシュアリティ教育」 と訳し、“comprehensive sexuality education” を 「包括的なセクシュアリティ教育」 や 「包括的性教育」 と訳しました。 日本でもこの 「包括的性教育」 という言葉が広まりつつあるところですが、これらのことを踏まえて、本書では “comprehensive sexuality education (CSE)” を 「包括的セクシュアリティ教育」 と訳すこととしました
日本では助産師が担い手となることが多い
「国際セクシュアリティ教育ガイダンス 【改訂版】」 における説明
包括的セクシュアリティ教育 (CSE) は、セクシュアリティの認知的、感情的、身体的、社会的諸側面についての、カリキュラムをベースにした教育と学習のプロセス
子どもや若者たちに、次のようなことをエンパワーメントしうる知識やスキル、態度や価値観を身につけさせることを目的とする
自分たちの健康とウェルビーイング (幸福)、尊厳を実現すること
尊重された社会的関係、性的関係を育てること
自分たちの選択が、自分自身と他者のウェルビーイング (幸福) にどのように影響するのかを考えること
自分たちの生涯を通じて、自分たちの権利を守ることを理解し励ますこと
包括的とはどういうことか?
セクシュアリティについて包括的で正確、科学的根拠に基づき、かつ、各年齢に適した情報を得る機会を提供する
性と生殖の健康に関する問題 (例えば、性と生殖に関する解剖学および生理学、前期思春期と月経、生殖、現代的避妊、妊娠および出産、HIV と AIDS を含む性感染症) が含まれるが、これらに限定されない
一部の社会的および文化的文脈で難しいとされるトピックも含み、すべての学習者が知っておくべき重要なトピックの全範囲をカバーする
健康とウェルビーイング (幸福) のための分析的なものの見方やコミュニケーション、その他のライフスキルを向上させることにより、学習者のエンパワーメントをサポートする
例えば、セクシュアリティ、人権、健康的で尊敬し合う家族生活や対人関係、個人的かつ共有的な価値観、文化的・社会的規範、ジェンダー平等、反差別、性的行動、暴力とジェンダーを基にした暴力 (GBV)、同意とからだの保全、児童・早期・強制婚 (CEFM) や女性性器切除/切断 (FGM/C) のような性的虐待や有害な慣習などに関連するもの
「包括的」 とは、1 回限りの授業や介入ではなく、トピックの幅広さと深さ、および教育を通じて学習者に経年的に提供される内容も指す
包括的性教育のキーコンセプトとトピック
参考文献
国際セクシュアリティ教育ガイダンス 【改訂版】
性の問題は包括できない 〜「包括的性教育」 とか 「SRHR」 に対して思うこと〜
性教育の課題は? 話題の 「包括的性教育」 とは? <用語解説> (NHK みんなでプラス)