経験主義の二つのドグマ

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二つのドグマ とは、以下の二つの考え方です。

経験からの直接的な根拠： 伝統的な経験主義では、知識は感覚経験から直接的に得られると考えられていました。しかし、クワインは、経験は理論によって解釈され、理論は経験によって修正されるという相互作用によって知識が形成されると主張しました。

クワインの批判

クワインは、上記の二つのドグマを批判することで、経験主義の伝統的な考え方に疑問を投げかけました。クワインの批判は、以下のような点にあります。

分析命題と総合命題の区別は明確ではなく、すべての命題は経験によって修正される可能性がある。

経験は理論によって解釈され、理論は経験によって修正されるという相互作用によって知識が形成される。

経験からの直接的な根拠という考え方は、経験の解釈に理論が必要であることを無視している。

二つのドグマと論理実証主義の関係

クワインの「経験主義の二つのドグマ」は、論理実証主義の伝統的な考え方を批判的に継承したものです。具体的には、以下の点で関係があります。

経験主義の立場： クワインは、論理実証主義者と同様に、知識は経験から得られるという経験主義の立場を共有しています。

分析命題と総合命題の区別： クワインは、論理実証主義者が重視していた分析命題と総合命題の区別を批判的に検討しました。

経験からの直接的な根拠： クワインは、論理実証主義者が主張していた経験からの直接的な根拠という考え方に対して、経験の解釈に理論が必要であることを指摘しました。

クワインの批判の影響

クワインの「経験主義の二つのドグマ」は、論理実証主義の衰退に大きく貢献しました。論理実証主義は、分析命題と総合命題の区別や経験からの直接的な根拠といった考え方に基づいていましたが、クワインの批判によってこれらの考え方が根底から覆されました。