第五挿話:食蓮人たち
https://gyazo.com/82f5842940a253f89414e7e87f040bac
計画表より
場面=浴場、時刻=午前10時、器官=生殖器、学芸=植物学・科学、象徴=聖体、技術=ナルシシズム、神話的対応=ブルームが見かける馬車の馬、教会の聖餐拝受者、ポスターの兵士、また彼の思い浮かべる入浴者とクリケットの観客が、ロートパゴス族の蓮の実を食べて理性を失ったオデュッセウスの部下たちに対応する。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ユリシーズ リュビアーの西部に住んでいたロートパゴス族は、ロートスの木というナツメに似た木の果実を食べて生活していた。漂着した土地を探索していたオデュッセウスの部下たちはロートパゴス族と遭遇し、彼らからロートスの果実(一説には花)をもらって食した。すると、ロートスがあまりに美味だったので、それを食べた部下はみなオデュッセウスの命令も望郷の念も忘れてしまい、この土地に住みたいと思うようになった。ロートスの果実には食べた者を夢の世界に誘い、眠ること以外何もしたくなくなるという効力があった。このためオデュッセウスは嫌がる部下たちを無理やり船まで引きずって行き、他の部下がロートスを食べないうちに出航した。https://ja.wikipedia.org/wiki/オデュッセウス 底本がなんなのかわかっていないcFQ2f7LRuLYP.icon
ブルームの道行き
サー・ジョン・ロジャースン船寄通り→ウィンドミル小路→リークス亜麻仁加工所Leask’s the linseed crusher→郵便電報局the postal telegraph office→海軍宿泊所
linseed crusher
亜麻の種(仁)を砕くこと
亜麻仁油の生成のことだろうかcFQ2f7LRuLYP.icon 電報
公衆向けの記録方式による電気通信サービスの一種。公衆から依頼された電報文は通信士によって電報中継網に入力され,それを受信した電報局によって受取人の家まで配達される。(「電報」世界大百科事典)
ライム・ストリート→ブレイディ路地→タウンゼンド通り→ニコルズ葬儀屋
皮剥ぎ手伝いの少年、額に湿疹の跡だらけの少女
ハノーバー・ストリートからウエストランド通りへ
ベルファースト・アンド・オリエンタル紅茶商会のウインドウの前に立ち止り、包装の文句を読む
choice blend, finest quality, family tea.
脚韻?
柳瀬訳では「精練ブレンド」。セイロンの音を利かした訳
また読む。精練ブレンド、最高級セイロン銘柄。極東。(P128)
帽子を脱ぎ、ヘッドバンドに隠れた一枚のカードをとり出す。カードはチョッキのポケットへ。
意識の流れ
オリエンタル紅茶会社のウインドーを見て、彼の思考は芳香と花に満ちた世界へと漂い流れてゆく。(ナボコフの文学講義、下。P251)
花と香はこの章でたびたび言及される。
ブルーム自身も、姓がbloom(花が咲く)であり、また文通の名前もヘンリー・フラワー。花との強い縁がある。
「誰もいない」のを確認して郵便局へ
手紙が来ているか、カードを出して尋ねる
21-09-14 18:24