沓冠
くつかむり
古事類苑の智例に
廣幡のみやすとごろ〈○村上更衣源計子〉ぞあやしう、こゝろことにこゝろばせあるさまに、みかどおぼしめいたりける、内よりかくなん、
あふさかもはてはゆきゝのせきもゐずたづねてとひこきなばかへさじ、といふうたを、おなじやうにかゝせ給て、おほんかた〴〵にたてまつらせ給ひける、この御返事をかた〴〵さまざまに申させ給ひけるに、廣幡めみやすどころは、たきものをぞまいらせ給たりける、さればこそなをこゝろことにみゆれとおぼしめしけり、いとさこそなくとも、いづれのおほんかたとかや、いみじくしたてゝまいり給へりけるはしも、なこそのせきもあらまほしくぞおぼされける、おほんおほえもひごろにおとりにけりとぞきこえはべりし、 ○按ズルニ、此歌ハ、沓冠折句ニテ、アハセタキモノ、スコシノ十字ヲ句ノ上下ニ置ケルナリ、