左右手
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「まで」と読む
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和語によるもの
幾代(いくよ)左右にか(一・三四)
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千代(ちよ)二手に(一・七八)
舟泊(は)つる左右手(七・一一八九)
すべなき諸手に(一〇・一九九七)
いずれも助詞のマデです。
これについて、『石山寺縁起絵巻』(二)に次の話があります。『『萬葉集』』に訓を付けることを命ぜられた源順(912-983)が、石山寺へ参詣する道すがらこの「左右」の訓を思案していたところ、近江国の大津の浜で、馬方が負わせた荷を付けなおすのに、「まてより付けよ」と言ったのを聞いて、左右の両手をマテ(あるいはマデ)と言うのだと悟ったというのです。もしこの話が事実であったとしたら、平安時代にマテという語は、貴族たちの知らない俗語だったのでしょうか。両手の意味の例として、『日本国語大辞典』には、西行の歌が挙げてありますが、『万葉集』の時代からあった言葉だったことになります。