夕立の雲もとまらぬ夏の日のかたぶく山にひぐらしの声
夕立をふらせた雲も留まらない夏の日、太陽が西に傾いてきた山には蜩の声がする。 かたぶく山が出たところで冒頭の「夕」が効いてくる。既に夏日は夕方になっているcFQ2f7LRuLYP.icon
夏の日を真正面に詠まず、傾く、ひぐらしの声で秋も予感させてるところがあるか
新古今・夏・268
配列はこんな感じ
267 従三位頼政
庭の面はまだかわかぬに夕立の空さりげなく澄める月かな
夕立でこの歌との関連がある。こちらでは庭が乾いてないが、268ではその雲も去っており時間経過がある
この歌
269 前大納言忠良
夕づく日さすや庵の柴の戸にさびしくもあるかひぐらしの声
268の夕立、かたぶくから「夕」につながる。こちらはひぐらしの声と庵の景を取り合わせ、さびしさをかもし出してる