切株やあるくぎんなんぎんのよる
二つの解釈が同居している
歩く銀杏銀の夜
ひらがなによる表記
口ずさんで歩く様子を想起するcFQ2f7LRuLYP.icon
「gin」「nan」「gin」という音の繰り返し
ぎんなんぎんという音の並びが心地よい
? こういうのは何という技法・レトリックに当たるだろうか?その名前はなんだ?
銀の夜
月夜の晩のことだろうかcFQ2f7LRuLYP.icon
? 月光を銀と表現する例はほかにあるか?
銀液
銀色の液体。夜露、川面などが月光をうけて銀色に光るさまなどにいう。
新撰朗詠集〔12C前〕上・秋「蒼葭の夜の色は銀液(ぎんエキ)を添へ、翠竹の秋の粧は玉装に任ぜたり〈菅原庶幾〉」(日本国語大辞典)
銀波
月光などが映って銀色に光る波。
俳諧・芭蕉庵小文庫〔1696〕堅田十六夜之弁「やがて月雲外にはなれ出て、金風銀波、千体仏のひかりに映ず」(日本国語大辞典)
日光に輝く波を金波という
銀の象徴的意味
中国や日本では銀はつやのある白または美しい白の意味で用いられ(銀世界,銀髪,銀髯など),ほかに銀沙(白砂)などの表現があり,また俗に銀幕,銀飯などの用法がある。銀はまた月に係る語として,中国では月の別名を銀蟾(ぎんせん),銀兎(ぎんと)(月にヒキガエル,またはウサギがいるという伝説に基づく),銀盤などといい,月光を受けて輝くものの例に銀波,銀露などの表現がある。(世界大百科事典)
ちょっとずれるが銀漢という言葉もあった
晴れた夜空に、一筋の雲のようにかかる光の帯で、無数の星や星間物質が集中しているもの。地球からはその面を横から見ることになるので、その中央線は天球上にほぼ大円を描く。天の川。銀漢。銀渚。《季・秋》
(日国、銀河の解説より)
天の川や今でいう銀河を指す
銀河も「銀」だなcFQ2f7LRuLYP.icon
夜に外を出歩けるほどに明るい、月の夜or星の夜
cFQ2f7LRuLYP.iconとしては月の夜を想像した
調べてみると、あるいているのが「ぎんなん」とする評もあった
「あるく」は「ぎんなん」にかかっているのか、それともそこで切れているのか、それによって歩くのは「ぎんなん」になったり作者になったりする。それとも「切株」が歩くのか。
むろん「ぎんなんぎんのよる」の「ぎん」のリフレインが効果抜群で、もう意味などどうでもよくなる。内容はメルヘンぽいが、まことかわゆい句。
なるほど同感。
上と打ってかわり作句のくるしみを描写する
こちらは作者自身は意図していなかったらしい(種村季弘「卵生の狼少年」) 呆然自失、身に覚えがないのに、といわんばかりの潔白な仰天の表情を浮べた現場を目撃した(『加藤郁乎詩集』(現代詩文庫)P128)
? 「切株や」は、この一句でどのようなはたらきをしていると言えるか?
? 切株は銀杏の木か?
わからん