『運動しても痩せないのはなぜか』
読書メモ
目次
第1章 ヒトと類人猿の代謝の定説が覆った
◇ライオンから奪ってでも、食料を手に入れる
筆者は人類学者。狩猟採集民であるハッザ族を対象にした調査を行っている
ヒトの生きるペースは他の動物とは全く異なっている(p.21)
霊長類のライフサイクルは時間が遅い
◇類人猿を対象とする実験が非常に困難な理由
類人猿は同じ体重のヒトと比べ二倍くらい力が強い
二重標識水を飲ませて1日の総エネルギー消費を測定する実験をしたら予想よりもはるかに低い値 他の霊長類と比べ、ヒトは脳に回すエネルギーが多く、内臓に回すエネルギーが少ない
脳は大きく、内臓は小さい
◇狩猟採集民と先進国の人では代謝はどう違うのか
◇知っているつもりで、実は説明できないこと
◇わかりやすくいうと代謝とは何か
◇昼食に食べたピザは体の中でどうなるか
◇植物が大量絶滅の原因となったことがある
第3章 カロリー消費量研究に起きた革命
◇消費カロリーの測定はどのようにされてきたか
◇「歩く」「走る」「泳ぐ」のにかかるエネルギー
◇安静時の体0のエネルギー消費はどれくらいか
◇エネルギーを効率よく使い子孫を多く残すゲーム
◇動物の寿命は代謝率で決まるのか
◇一般的な総カロリー消費量推定法はまちがっている
◇ヒトの代謝の科学の新時代が始まった
第4章 親切で、適応性に富み、太ったサル
◇180万年前の人類化石がユーラシア大陸に
◇ユーラシアにやってきた侵入種・ホミニン
◇初期人類は利己的で怠け者のベジタリアン
◇ヒトは分け合うことで大成功をおさめた
◇「分け合い」がヒトの代謝革命を起こした
◇「分け合い」と「代謝向上」のマイナス面
第5章 運動しても痩せないのはなぜか
◇ハッザ族は厳しい環境で重労働をしている
◇ハッザ族のエネルギー消費は先進国の人と同じ
◇制限的日次カロリー消費モデルで考えると……
1日のカロリー消費量がほぼ一定であり、運動で身体活動量を増やしてもほとんど影響を及ぼさないため(p.191)
ダイエットする場合はカロリー摂取量に目を向けると良い
◇ダイエット番組参加者を追跡調査した研究結果
◇脳は厳格にエネルギーの収支を監視している
◇肥満の原因を代謝が低いせいと考えるのは誤り
◇私たちの研究への反響は予想外に大きかった
第6章 ダイエット論争にデータを突きつける
◇人類は300万年前から炭水化物を食べてきた
◇過熱するダイエット論争と最新の科学的知見
◇「スーパーフード」には多くの場合、根拠はない
◇脂質悪玉説と糖質悪玉説、論争の真実
◇肥満のわなに陥らないためにはどうすればよいか
加工されていないものを食べる
◇実際の狩猟採集民の食生活はどのようなものか
第7章 ヒトの体は運動を必要としている
◇運動しないチンパンジー、運動が必要なヒト
◇運動した方がいい理由はたくさんある
◇運動に使われなかったカロリーの行き先
◇過剰な運動で性ホルモンの分泌が低下する理由
◇体にいい運動の量はどれくらいか
◇運動で減量はできないが体重維持に運動は必須
◇「運動しても痩せない」は〝不都合な真実〟か
第8章 ヒトの持久力の限界はどこにあるか
◇超過酷な持久競技選手のカロリー収支
◇持久力の限界を決めるのは何か
◇何日、何週間、何カ月にも及ぶ持久走での実験
◇人間の持久力の限界を示すグラフ
◇代謝の限界を決めるのは消化管だった
◇妊娠と出産も代謝の限界に支配される
◇マイケル・フェルプスは何がすごいのか
◇エネルギー消費の上限を押し広げる進化の末路
第9章 エネルギー消費とヒトの過去・現在・未来
◇現代人のとんでもないエネルギー消費量
◇道具による筋力の有効活用から火の利用へ
◇技術が進むにつれ食料獲得が容易になった
◇1人当たりの消費エネルギーがゾウ並みに
◇「人間動物園」を望ましいものに改造せよ
◇数年ぶりに訪れたハッザのキャンプで見たもの
謝辞
原注