『源平盛衰記』
『源平盛衰記』(げんぺいせいすいき/げんぺいじょうすいき)は、軍記物語の『平家物語』の異本のひとつ。48巻。著者不明。読み本系統に分類される(詳しくは『平家物語』を参照)。 二条院の応保年間(1161年 - 1162年)から、安徳天皇の寿永年間(1182年 - 1183年)までの20年余りの源氏、平家の盛衰興亡を百数十項目にわたって詳しく叙述する。 軍記物語の代表作の一つとされる。『平家物語』を元に増補改修されており、源氏側の加筆、本筋から外れた挿話が多い。その冗長さと加筆から生じる矛盾などを含んでおり、文学的価値は『平家物語』に及ばないとされるが、「語り物」として流布した『平家物語』に対し、「読ませる事」に力点を置かれた盛衰記は「読み物」としての様々な説話の豊富さから、後世の文芸へ与えた影響は大きく、さまざまな国民伝説の宝庫である。