『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』
本書の内容
スピードが要求される加速社会を生きる私たちは、日々、即断即決をよしとする世界に暮らしている。物事を性急に理解し、早々に結論を出し、なんでも迅速に解決しようとする。しかし、それだけでいいのだろうか。 「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは謎や不可解な物事、問題に直面したときに、簡単に解決したり安易に納得したりしない能力のこと。即断せずわからないままに留めながら、揺れながら考え続ける力とも言える。先行き不透明で変化に満ちたこの世界を生きるためには、「これで大丈夫なのだろうか」と自分を疑い、不確実性や謎にまみれつつ、より深く本質に迫ろうとする姿勢が必要だ。 新進気鋭の哲学者・谷川嘉浩、哲学・倫理学とビジネスを架橋する哲学者・朱喜哲、エビデンスに基づく政策を研究する公共政策学者・杉谷和哉の3人の対話によって、データビジネス、アテンションエコノミー、SNS、倫理・哲学、教育、政治、陰謀論、アニメなど、さまざまな切り口から現代社会を読み解き、ネガティヴ・ケイパビリティの実現可能性を描き出していく知の饗宴!