『ダブリン市民』
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ダブリナーズ書影(パブリック・ドメイン)
英語本文
15の作品からなる。
少年期
初見だとどういう話なのかわからん…
再読するとすこーしわかる。
? なぜ「姉妹」というタイトルなのだろうか?
フリン神父の話(と今は感じている)なのに、タイトルがそぐわない。
夢に入るときに顔のちらつくことがある。私だとこんな表現しかできないが、ジョイスはたとえば神父の様子を「中風患者のあの重苦しい灰色の顔」、「告白をしたがっている」様子、そして「唇には唾がべとついている」と具体的に書いている。特に、口元の描写は強く生々しさを感じさせる。
フリン神父の笑い顔が重要。
生前の笑顔と厳しい死顔
各人のフリン神父への印象の違い
笑顔をどう解釈しているか
変な爺さんと出会う話。
子どもの目線から見ると馴れ馴れしくしてくる壮年男性って相当怖いのではないか
あんまり好ましくない…
青年期
Eveline(イヴリン)
父との生活に疲れ、駆け落ちによる家出(ダブリンからの脱出?)を試みるイヴリン。しかし、ブエノスアイレスへの船便が出る前日、亡き母との約束を思い出し…
彼女はノースウォール埠頭の駅の雑踏の中に立っていた。フランクは彼女の手を握っていた。彼が彼女に話しかけ、船便のことを何度も話しているのはよく分る。(...)彼女は何も答えなかった。頰が青ざめ冷たくなるのを感じながら、この迷いの苦しみから抜け出せるように、なにか指図を与えてくださいますよう、なにをすべきか教えてくださいますよう、神に祈っていた。(柳瀬訳、P63)
After the Race(カーレースが終わって)
登場人物
セグアン
カーレース出場のフランスチームの車両の持ち主。
レースで好成績を収めたため注文が入って上機嫌。
じきにパリで車の事業所が開業予定
電気技師リヴィエール
セグアンとは従兄弟
セグアンの事業所の支配人になる予定
ハンガリー人ヴィロナ
楽天家
若者ドイル
周囲の熱狂にどこか馴染めない男。酔うても頭のどこかが常に覚めているような…。
解釈
Two Gallants(二人の伊達男)
伊達男の悲哀
This vision made him feel keenly his own poverty of purse and spirit. He was tired of knocking about, of pulling the devil by the tail, of shifts and intrigues. He would be thirty-one in November. Would he never get a good job? Would he never have a home of his own? He thought how pleasant it would be to have a warm fire to sit by and a good dinner to sit down to.
なにか詐欺を働こうとしているらしい。
初回は読めなかった。
The Boarding House(下宿屋)
独身男が、手を付けてしまった下宿屋の娘との関係をどうするか悩む話
下宿の女将、独身男、娘と視点が変っていく
A Little Cloud(小さい雲)
ロンドンに行って成功した新聞記者の友人と再会する話
恋愛ののぼせ、結婚してからの幻滅
詩人になりたいという夢、32歳妻子持ちという現実
グラッタン橋での霊感(p.117)は家に戻ったときすでに消え失せている
芸術家と非芸術の生活
Counterparts(写し)
ひでえ話だ
仕事で失敗し余計な一言で上司の不興を買いやけ酒をかっくらって力比べに負けた挙句子どもにあたる酔っぱらいの父親。
酒を呑んで帰ってきた父親のこわさはよーくわかる
父親のこわさがやけに生々しいのが嫌だった。実体験が反映されているのだろうか?
Clay(土くれ)
これいったいどんな話なんだ?
何故<Clay>(土くれ)というタイトルなのか?
原文にclayの文字はない
ハロウィンのゲームで、マライアが手で触れたものが土くれらしい?
参考にする
むつかしいcFQ2f7LRuLYP.icon
現在孤独な境遇にあり、不確実な未来が推測されるマライアの姿が、「「生ける屍の生活」を送る全てのダブリン市民と共通」し、"Clay"というタイトルはそれを暗示する、とのこと
マライアという女性がハロウィン?の時期にジョウ一家を尋ねる
マライアは訪問をとても楽しみにしている
マライアは、ジョウとアルフィの兄弟の乳母だった
ジョウとアルフィはむかし仲が良かったが、今はしょっちゅう仲たがいをしている
料理の描写、おいしそう
料理番が夕食の用意がととのったと言ったので、マライアは女たちの食堂へ行き、紐を引いて大きな鐘を鳴らす。(...)めいめいが特大のマグカップを前にして席に着く。料理番と唖女が熱い紅茶をどぽどぽ注いで回った。あらかじめ特大のブリキの容器でミルクと砂糖を掻き混ぜておいたのだ。マライアは乾葡萄入りパンを配る采配をして、めいめいに四切れずつ渡るように見ていた。(p.165)
かなり好き
抜き書き
彼女との親交は、外来植物を囲む暖かな土壌のようだった。(p,182)
あらゆる絆は、と、彼は言った。悲しみへつながる絆です。(p.183)
自分の人生も孤独なものとなっていき、ついには自分もまた、死んで、存在しなくなって、一つの思い出となる――もし思い出してくれる者がいるなら。(p.190)
数分間、耳をすませて待った。なにも聞えなかった。夜は完壁に静寂だった。もう一度、耳をすます。完壁に静寂。彼は己が独りきりなのを感じた。(p.191)
Ivy Day in the Committee Room
選挙?の話
登場人物は男性しかいない。暖炉を囲みながら酒を飲みたむろしている
A mother
娘のコンサート出演代をきっちり払ってもらいたい母親の話
母親が変なのか、主催者側がおかしいのか?
Grace
酒のみの旦那を、友人たちと奥さんがたばかってカトリックに宗旨替えする話?
何の話なのかよくわからん…cFQ2f7LRuLYP.icon
一番有名
グッとくる文がたくさんある
He did not like to say even to himself that her face was no longer beautiful but he knew that it was no longer the face for which Michael Furey had braved death.
(...)
(...)
Generous tears filled Gabriel’s eyes. He had never felt like that himself towards any woman but he knew that such a feeling must be love.
キーワード
愛のない物語
ダブリナーズでは恋愛はほとんど書かれていないとする
恋愛がまったく排除されているのではないが、15篇のうちに純粋なラブ・ストーリーはない
むしろ「「愛の欠如」を描いたという方がふさわしい」という
ひとつ微妙な例外であるのが「痛ましい事件」
2021-10-11 21:48 「恩寵」まで読んだ
21-10-01 21:30 委員会室の蔦の日
21-09-29 痛ましい事故
21-09-27 22:03 土くれ再読(まだ勘所がつかめない)
21-09-26 10:20 土くれ
21-09-22 12:23 小さい雲
21-09-21 7:58
21-09-20 21:27
21-09-18 20:52
21-09-18 9:45
21-09-17 7:46
21-09-15 0:18
21-09-14 18:24