遥のチャーハン、いつ食べてもパラパラでおいしいな
「うわぁ〜、おいしそう!」
僕が机にチャーハンの皿を置くと、静は嬉しそうに声を上げた。 「おいしいよ、早よ食べよ」
僕が言うと、静は「いただきます」と言うてチャーハンを口に運んだ。
「遥のチャーハン、いつ食べてもパラパラでおいしいな」
静が笑うんを見て、僕もチャーハンを口いっぱいに入れて食べた。
「遥はホンマに料理が上手なぁ」
「ほらまぁ、ずっと一人暮らしで自炊しとうけんなぁ、多少のことはできるな」
静に褒められて、僕は少し得意げにほう言うた。
静の言葉はいつも正直なけん、素直に喜べる。
「歯ブラシここに置いとくよ。青いんが静のな」
僕はプラスチックのコップに歯ブラシを二本入れて、静に見せた。
「こういうん、憧れとったんや」
並んだ歯ブラシを見つめて、静が言うた。
僕は静の頭をなでた。
「ほうや、僕んちに着替えとか置いときよ。ほしたらいつでもお泊りできるよ」 「ええの?」
嬉しそうに僕を見上げる静に、僕は「うん」とうなずいた。
「ほな僕んちにも遥の着替え置いといて?ほんでいつでもお泊りして?」
静が僕の手を取って、子供みたいに甘えた声で言うたけん、僕はまた「うん」とうなずいた。 静を家まで送って、別れ際、僕は泣いた。
また明日すぐに会えるのに、一晩離れるんがめちゃくちゃ寂しくて、つらかった。
毎日が誕生日やったらええのになって、ほんな子供みたいなことを考えてしもうたよ。
静、ありがとうな。すごく楽しかった。僕は幸せ者やな。
明日は明日で、楽しい一日にしよな。
愛しとうよ。