最高か
僕は静の髪を濡らして、手のひらでシャンプーを泡立ててから優しく洗うた。
「静の髪はきれいやなぁ」
僕は静の髪を触るんが好きやった。乾いとうときのふわふわした手触りも、濡れとうときのなめらかな手触りも好きや。 「僕、遥に髪を洗うてもらうん好き」
シャンプーを洗い流し終えると、静が嬉しそうにほう言うた。
かわいいなぁ。こんなにかわいい子が僕の彼氏やなんて、全世界が僕に嫉妬しようよなぁ。
「遥の髪も洗うてあげたいけど、今日は先に出たいけん堪忍して?」
申し訳なさそうに、ほなけどなんか楽しそうに静が言うけん、僕は不思議に思うた。
「ほれはええけど、どしたん?」
僕が言うと、静は恥ずかしそうに上目遣いで僕を見て体を左右に小さく何度かひねった。
秘密って、10分って……静、ほれはもうええ想像しかできんよ。
僕は「うん」とうなずいた。めっちゃスケベな顔をしよったと思う。
僕はきっちり10分待って、ほれから髪を乾かした。
鏡に映る僕はホンマに面白いくらいスケベな顔でにやけとった。静の前ではええ男でおりたいのに、こんな顔しよったら格好付かんやん。
「静ぁ、出たよ」
ドアを少し開けて、静の返事を待った。
「ええよ」
静の声で、僕はドアを開けて部屋に入った。
明かりは落ち着いとって、有線はモダンジャズがかかっとった。
静は、部屋の奥でこっちを向いて立っとった。
「遥、こういうん……好き、よなぁ?」
少し自信なさそうに、恥ずかしそうに静が笑うた。
何を言うとん。
「めちゃくちゃ好きや」
僕は静に近づきながら、ほう答えた。
静は、白とブルーグレーの丈の短いメイド服に身を包んどった。 頭には白いひらひらした飾りを付けとって、足元は低いヒールのついた靴を履いとった。
好きに決まっとうやん。静、僕のことわかりすぎやろ。
「静、きれいすぎるよ」
僕は静の目の前にひざまずくと、白い足に指を這わせた。静の肌はすべすべしとった。
静はくすぐったそうに笑うて、体をひねった。
静が短いスカートをめくると、小さな白いパンツが見えた。なんちゅうもん履いとるんや、アカン、血圧上がる。
静はパンツの細い紐に指をひっかけると、僕を焦らすように少しだけずらした。
「僕は『付いとる』けん、お得やろ?」
見上げると、静は小悪魔みたいな笑顔で僕を見よった。 ああ、もう。最高か。