多様性やぞ、神田橋さん
クリスマスに4人でイルミネーションを見に行こうという和の提案に、静が目を輝かせた。
静が話に乗ってきたことで気をよくした和は、円に向ってそう言った。
「和はひどいのぉ、僕の誕生日やって言うたら東雲さんが断れんと思て」
やれやれといった表情で遥が言った。
「伊勢原さん、僕に愛されとう自信があるんですね」
「当然でしょ、僕と東雲さんの仲やないですか」
自信満々に笑いながら、遥は円の肩をぽんぽんと叩いた。
「おっさん同士でいちゃいちゃするんやめぇや」
和が不満げに言うと、遥も円も声を上げて笑った。
「ほうやぞ、多様性やぞ」
遥と円がお互いの腰に手を当てるのを見て、和は「うわぁ」と嫌そうな顔をした。
「何が多様性や、なぁエビ?おっさんたち頭おかしいよなぁ?」
「神田橋さん、多様性やけん」
話を振られた静は、にっこり微笑んで遥の腕をつかんだ。
「あ~も~なんやの?こんな美女がそばにおんのになんで男同士でいちゃいちゃするん???」
和は悔しそうに頭をかきむしりながら声を上げた。
男3人は顔を見合わせて笑った。