コオロギはどうやったん?
#粉言うたスよね?
朝、出発前に遥と和が挨拶を交わしていた。
「ほんで、
コオロギ
はどうやったん?」
遥の何気ない言葉に、なぜか和は目を逸らした。
「……うまかったッスよ」
「ホンマか?」
驚いたように遥が言うと、和は頬を赤らめて、どこかへ行ってしまった。
「
コオロギの味
訊かれてほんな顔する?」
和の後ろ姿を見ながら、遥は首を傾げた。