さようならって、どういうことなん
日曜の朝くらい、二度寝も許されるやろ。
アラームを止めるためにスマホを手に取ると、緑色の通知ランプが光っとんのが目に入った。
エビちゃんからや、珍しいな。
僕はエビちゃんのメッセージを読んで、思わずつぶやいてしもた。 エビちゃんはメッセージや電話よりも、直接話すか、アナログなメモ派や。 お菓子をくれるときは、いっつも「お疲れさまです」って、小さあてきれいな字で書いたメモを一緒にくれる。 僕はもう一度、エビちゃんのメッセージを読み直した。
さようなら。
僕はなんか、大切なことを忘れとった。
「あっ」
僕は声を上げた。
昨日はエビちゃんの誕生日で、僕は電話をするって約束しとったんや。
あの日はまだ仕事が残っとって、忙しくて、適当に返事してしもたんや。
もう一度、エビちゃんのメッセージを読み直す。
さようなら。
嫌な予感しかせんかった。
僕はなんてメッセージを送ったらええんかもわからんかった。何を送っても、エビちゃんには届かん気がした。
電話をかけた。全然繋がらんかった。
エビちゃんは、直接話すか、アナログなメモ派や。
僕は家を飛び出した。
エビちゃんがすぐ泣くんは知っとった。
病気なんも知っとった。
僕のこと、好きなんも知っとった。
知っとって僕は、何をしとんな。