知的財産権 問題と関連知識まとめ
知的財産権
特許権の存続期間
20年。特許権で保護される発明は物・方法・ものを生産する方法
著作権が有効なケースについて
著作権は著作物を捜索した時点で何らかの手続きの必要もなく発生する
著作物でないもの
単なるデータの寄せ集めの創作性のないDB
外部に表現されていないコンセプト
アイデアに該当するアルゴリズム
データベースの著作権
著作権法第12条の2「データベースでその情報の選択または体系的な構成によって創作性を有するものは著作物として保護する」
DBの構成に創作性があれば著作物として保護される
個々のデータそのものはデータベースとは別物
思想や感情を縫合していないデータは著作物として保護されない
著作権法第2条の10の3「 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう」
つまりコンピュータによって検索できないものはデータベースとは言えない
DBの配布はCD-ROMで頒布する場合、頒布権や複製権が認められる。著作隣接権は認められない。
参照: 著作権法第2条
著作権の適用に関するケーススタディ
撮影が許可された作品であってもWebサイトに公開して良いかは著作者の承認が必要
屋外に設置されている美術著作物の原作品と建築物の著作権は原則的に自由に利用できる
(公開の美術の著作物等の利用)
第四十六条 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
参照: 著作権法
Webページのレイアウトは著作物に該当しないので真似しても著作権の侵害に当たらない
すでに公開されたWebページを参照するリンクを自分のHPに掲載する行為は著作権侵害にならない
著作権の適用に関するケーススタディ2
Q. 佐藤さんが田中さんの自宅の庭の写真を撮影した。この時撮った写真の著作権は誰にあるか?
A. 佐藤さん
写真の著作権は写真の撮影者にある
著作物の保護期間
著作権は著作物の創作と同時に発生する
無名・変名の著作物の保護期間は著作物の公表後50年
映画の著作物の保護期間は著作物の公表後70年間
映画だけ特別長い
団体名義の著作物の保護期間は著作物の公表後50年
著作権に当てはまるものを選ぶ問題
著作権に当てはまるもの = 人が創作して具体的に外部に表現されたもの
アイデアやコンセプト/著作物を作るのに利用した調査データは著作権の対象外
我が国で最初に発行された外国人の著作物については著作権で保護される
公衆送信権
公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信をする行為についての権利
写真の画像をインターネットにアップロードするためには著作者から公衆送信権の許諾を得る必要がある
2条1項7号の2により同一構内において送信する行為は公衆送信行為に含まれない。例えば学校などの構内放送は公衆送信権の侵害にはならない。
送信可能化権
(23条1項)とは、インターネットなどで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く(2条1項9号の4)
送信可能化とはサーバにアップロードして公衆にダウンロード可能にする状態。実際にダウンロードされていなくても発生する。
著作権に含まれるものに関する問題
上映権
映画を公に上映する権利
頒布権
著作物(映画やゲームなど)を頒布する権利
譲渡権
著作物を販売するなど公衆に提供する権利
二次的著作物
二次的著作物とは、著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化などしてできた新たな著作物のこと
第三者が二次的著作物を利用する場合、原著作物の著作者と二次的著作物の著作者の両方に許可を取る必要がある
著作権侵害となる要件
対象の物が相手の著作物であること
例えばありふれた表現などの著作物には著作権が認められないのでそれに似たものを作っても侵害にならない
著作権の保護期間内であること
例えば著作権者の死後50年が経過してる場合は侵害とならない
その著作物に依拠して創作したものであること
例えば相手の作品を全く知らずに作られた作品の場合は侵害とならない
著作者人格権
著作権が他者に移転された後も著作者が保有する権利。一身専属で譲渡されない権利。
氏名表示権・同一性保持権・公表権
著作者の死後でも個人の人格的利益は保護される。遺族に対して遺言で保護処置を取らせることができる。
申請など手続きは必要としない
もっとわかりやすく言うと、
クリエイターの「名誉」や「作品への思い入れ」を守る権利
「感情的な部分」についての権利であり、「作品の財産的な価値」についての権利である「著作権」とは別
参照: 著作者人格権とは?わかりやすく解説
音楽の著作物(画像でも基本一緒)
著作権の処理の必要有無
著作物が保存されているサーバをネットワークに接続している場合は権利処理が必要(送信可能化権)
親戚や友人や会社の同僚が相手でも権利処理が必要
営利を目的をしない上演や演奏は例外(非営利での上演等)
例えば文化祭でのコピーバンドとかがこれ
配信に関しては有料・無料にかかわらず権利処理が必要
著作物の複製
私的目的の複製は無許可で良い
web利用する場合は公衆送信権が発生するので無許諾で行えない
P2Pの交換ツールなどを通じて交換することは私的利用の範囲を超えているので無許諾で行えない
著作者の名前や作曲年月日を明記しても無許諾で行えない
一般に、著作物(本とか)を著作権者の許可無く利用できる場合
私的使用のための複製
例) 本の表紙をスマホで撮って自分のスマホの待ち受けにする
学校や図書館などでの複製
授業の為の複製
ただし必要限度内である必要がある
職務著作について
下記を満たす場合、職務上で作成する著作物の著作者は法人になる
法人その他の使用者の発意に基づきその法人等の業務に従事するものが職務上作成する著作物であること
その法人が自己の著作の名義の元に公表すること
制作時における契約、勤務規則その他に別段の定めがないこと
例) 株式会社AAAに勤務する佐藤さん(普通の従業員)が、外部のデザイナーの田中さん(AAAとの間に特別な契約は無い)と共同で制作した著作物の著作者は、「田中さん」と「株式会社AAA」になる。
その他の知的財産権
意匠権
意匠権は新規性と創作性があり、美感を起こさせる外観を有する物品の形状・模様・色彩のデザインの創作についての権利
意匠権の存続期間は設定登録日から20年
特許庁へ意匠登録する必要がある
商標権
事業者が、産業の発達を目的として、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)
トレードマークやサービスマークを保護したりする
実用新案権
実用新案権は、物品の形状、構造または組み合わせに係る考案を保護するための権利
具体例。知的財産権の関わりについてわかりやすい。
https://gyazo.com/9aca6c4f55c455b09ef341ebd7939bc5
『特許権や実用新案権、意匠権、商標権など知的財産権についてご説明。』より引用
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