さわちんの研修作成虎の巻
「お前…人事だろ?」というくらい研修コンテンツ作ったり触れたりしてきたので、コツをまとめてみる まずは書き出してみる 2019/7/28
研修づくりで大事なのは
参加者を「研修を主体的に受ける姿勢」まで持っていくこと
今から始まる研修コンテンツが自分に価値あると思ってもらわなければいけない
放っぽり出してきた仕事・お腹の空き具合に、機嫌。気持ちが脱線してしまうような懸念は払拭されていなければならない
「同じ1時間あったら、研修に参加した方が良い」と思ってもらわなければいけない
自分は研修のど真ん中のターゲットであると思ってもらわなければならない
主体的に受ける姿勢が出来ていれば、大体のコンテンツは上手くいく
「自分に意味がある」と思っているので聞き漏らさないようしっかり聞いてくれる
意味がわからない内容があっても「今の自分にはわからないけど…きっと重要な内容だから心に留めておこう」と思ってくれる
研修コンテンツにおいて大事なのは「ファシリテーション力を上げる」といった想定している目標の達成だけではなく、「研修内でたくさん刺激を受け、受けた刺激を次に活かす」ことであり、それはリーンスタートアップと考え方が近い 「ちゃんと持ち帰りたい」と思って聞いてくれるので、質問してくれやすい
質問タイムや、匿名での質問の仕組みなどを用意するとより質問してくれやすくなる
研修コンテンツにおいては「終了時の満足度」よりも「質問してくれた回数」をKPIにおいた方が良い
満足度は研修の成果と相関しない
参加者が満足してくれても…「スキルが伸びている」「知識がついている」とは限らない
むしろ満足度をKPIにすることで、わかった感だけ生んでしまい、「実際やってみると、全然出来ない」人を生む 人は複雑でないものをわかりやすいと感じるため、「わかりやすい内容」は得てして、わかりやすいストーリーにするべく「必要だけど、わかりにくい要素」が大幅に省かれている
省かれすぎた結果‥わかった感だけが生まれてしまう
参加者が研修コンテンツにおける目標を達成するために足りていない知識・経験は、参加者しかわからない
だから、参加者と対話しなければ参加者にとってROIのたかいコンテンツにならない
研修コンテンツにおいて講師からの一方的なレクチャーは、内容が薄まり…無意味なものになりやすい
「参加者全員にとって必要な内容」を伝えようとした結果、
全員の最大公約数となる内容になってしまい、
どの参加者から見ても「ん〜なんか刺さらないな」という内容になる
もちろん、「講師の伝え方が下手だから起こる質問」というのはよくない
1. 「わからないことが分かるようになってできるようになった質問」
2. 「伝えていない内容にも想像力を働かせた結果、『この場合はどうなんですか?』と聞くような質問」
あたりがとても良い。
両方とも主体的に研修コンテンツを受けていないと起こらない質問であるため
研修コンテンツでは、講師が「Why(なぜこのコンテンツを受けた方が良いか)」を伝えきれていないケースをよくみる
プロジェクトマネジメント力を向上させるための研修です
新卒1,2年目が…プロジェクトマネジメント力を上げる必要性を認識しているのだろうか?
きっと、タスク管理・メールの書き方・Excelショートカットの方が学びたいと思っている
プロジェクトマネジメント力が高くないことで、悪影響を受けた経験がないならこうなる
他にもあげた方が良さそうなスキルがたくさんある中で、なぜプロマネなのか?
「私はマネジメント職じゃないし、関係ないじゃん」と思っているかも
今日はプロマネの基礎を学びます
「基礎を学んで、明日から俺の仕事は楽になるのか?」と思っているかも
基礎をこれからの1時間で学ぶことで、わかりやすくメリットがないなら、人は熱心に受けてくれない
講師が仕事のできる…信頼の置ける先輩だったら「あの先輩の言うことだし、いつかは活きるんだろう」と思うけど。
と言うように、よくある研修コンテンツ・ノウハウ本の走り出しは「受けたいと思わない参加者」を生み出しかねない
だから、導入は工夫する必要がある
導入に失敗したら、その参加者にとっては苦痛の数時間が始まる
研修コンテンツを「意義深い」と思ってもらえればある程度の価値はあるのだが、「しっかり身につけてもらいたい」場合はさらに工夫が必要となる
そもそも、あらゆるスキルは1,2時間じゃつかない
2時間でつくスキルならば、どんなに長くても1年も経たずにいらないスキルになる
2時間で身につけさせようとすること自体が間違い
2時間にて、「研修終了後も参加者がトライ&エラーを繰り返し、少しずつ身につけていける」状態まで持っていく
1. 研修後も努力して続けよう…と思ってもらうために必要性をしっかり認識してもらう 2時間のうち、1.5時間くらい使って良いtsawada.icon
あーだこーだ話しながら、必要性をしっかりイメージしてもらえれば、研修後もきっと頑張ってくれる
2. トライ&エラーを繰り返せるだけの方法を1つ覚えて帰ってもらう
お金や時間をかけて研修を準備しようとするような内容ならば、
そもそもトライすら難しいことが多い
やり方がわからなかったり。
なんとなくやり方がわかるけど…大損しそうで、ビビってしまったり。
また、トライした結果を見て「どこが悪かったか?」という分析はもちろん、「よかった?悪かった?」自体も判断できないことがある
と言うような状態なので、「トライの仕方」と「エラーか否かの判別方法」を一つ身につけてもらうことが大事
必要性もトライ&エラーも「参加者が持ち帰る」ものであるため、
講師がたくさん話すよりも参加者にいっぱい考えたり・試したりしてもらったほうが良い
ここら辺の設計プロセス。tsawada.iconの仮説も結構入っているが、確度は高いと思う
社会人数年すぎると「トライの仕方」「エラー判別方法」が明確な趣味にハマる人が増えてくるのとかが根拠の一つ
プログラミング
筋トレ
トライアスロン
手芸
資格勉強
などなど。やり方がわかりやすく、うまくいったかが判別しやすくて(達成感が得られやすい)
まとめると、
研修を作るときは以下3点が大事tsawada.icon
参加者が研修コンテンツに主体的に取り組めるよう、導入設計は丁寧に行い、
研修内での急激な成長は狙わず、研修後の継続的な努力を見越して、
「スキルアップの必要性認識」と「スキルアップのための方法」を持ち帰ってもらう