優先順位の逆転
仕事でも、いっぺんに入ってきたタスクが、それぞれ別の優先軸を持っていたりすると、パニックになったりする。 午前いっぱいで提出しないといけない、個人業務の報告書がある。仕上げなきゃ
メールボックスで、同僚から質問を受けている。こういう簡単なコミュニケーションほど、相手も「簡単なことだから、すぐに返信をくれるだろう」と思っているだろうから、即レスしなくちゃ 自分の職務の中でも中核の、いわば本業としての書類を処理する。本業をおろそかにする奴は馬鹿だ。粒度を分解すれば中断はできるけどトータルでは5時間くらいかかる。こういう“重い”タスクほど、1日の早い時間帯に取りかかるべき。ただ、途中で中断すると効率が落ちるんだよな…… 昨日の出張の経費精算。銀行振り込まれが遅れると、自分個人のふところを直撃するから、これは重い。ただではすまないわけだから。
来週とりたい有給休暇の、申請と連絡をしないと。こういう連絡は直前にならないように、早めに言わないとね。早ければ早いほど喜ばれるよね。
それぞれのメンバーの職務領域を生かして、リレーで1時間ずつ片付けていくような業務の、自分パートが回ってきている。自分が止めると、下流工程(後工程)に迷惑がかかるから、こういうものほど、抱え込まずに手離れよくやりたいよね。それが、デキる男! 後輩に、机の後ろから話しかけられた。こういうときに、「いつでも質問はウェルカム!」な態度を見せていくことが、将来の大きなリスクを防いだりするんだよね。ミスの報告隠しとか。
仕事の一つに若干のミスがあった。謝りのメールを入れて、修正を再提出しなきゃ。放置すればこれが律速になる可能性も出てきてしまうしね。可能性は高くなくとも
他部署への連携の相談メール。直接の業務じゃない分、こっちも急ぎではないけど、向こうからも即レスがくるとは限らないし、影響範囲が広くなるから、早めに投げかけるだけは投げかけないと
……こんな風に、自分の中で複数の価値観が衝突すると、何一つ決められなくなる。 価値観に沿って仕事をできているときって、気持ちが乗って、すごくやる気も出せるんだけど、こうやって美学や美意識の大半を裏切らざるを得なくなりつつしないといけない仕事の仕方ってつらいわけだ。それでなおさらパニックになる。 アワアワと気ばかり焦って、どれも始められないまま、数分を空費することになる。
人によっては「泥臭くやる」みたいな言い方をするかもしれないけど、こういうときに、「ポイントを押さえてかしこくマネジメントすれば、(うまく状況を解きほぐせば、)実は全体に合格点を取ることは可能です」ということはない。 メール関係は不義理をすることになるだろうし、外部との根回しは後手に回って、近い仲間からは「使えねーな」と思われるだろう。後工程の仲間には、「ひどいよねー、あの人」くらいの陰口を言われるかもしれない。 そんなロールモデルの中で、ひいこらへいこらやっていくしかないのだと思う。 この場合の「腹をくくる」とは、「徹夜で頑張ってやるぜ!」ということではなく、「無様という役柄を受け入れよう」ということだ。 (なんてことだ、私は「格好いい」と思われるために仕事をしているというのに)
しゃーない、それが「俺の人生」だ。
ikkiTime 2018/05/04 18:51