「作文の前に考える」についての話
作文をするときに、「〇〇について300文字以内であなたの考えを書きなさい」という問題として出ていることがあるね。
それが目に入ると、つい「どんな風に書けばいいかな」と言ことを考えてしまうと思います。
でも本当は、いきなり書き出す前にしてほしいことがあるのだ。
それは、その意見に『さんせいの人と反対の人が考えている “理由” を、両方とも、先に3つ以上(なるべくたくさん)考えておくことと、
それから自分の意見を考えること』だ。
たとえば、漫画『ドラえもん』に出てくる、「『野比のび太』がかっこいい男かどうか」で議論している2人がいると考えてみよう。 この2人が、それぞれそう考えている理由はどんなことだと思う?
「かっこいい」と考えている人なら、その理由は、たぶん、
ガンマンになったときに30人をねむらせた
「人の幸せをねがい、人の不幸を……」という、しずかちゃんのパパの言葉
ドラえもんを安心させるために、ドラえもんぬきでジャイアンに勝つ
……、 といった理由は考えているでしょうし、
「ダメなやつだ」と考えている人なら、その理由はおそらく
せいせきが悪いし、人のはなしをさいごまで聞かない
けっこうイタズラしたがるし、女の子にたいしてエッチだ
つよい道具を手に入れると、すぐムチャクチャな仕返しをする
……、といった理由を考えているのだと、考えられるわけです。
そして、この2つにはそれぞれにちゃんと「理由」があるので、すぐには「どちらの意見が正解」「どちらの意見の勝ち」という勝ち負けがつくことはありません。『ドラえもん』の中には、いろいろな話があるのだしね。
ただし、その意見をしゃべったり、作文にしたときに、
「より深く考えていた人」と「あまり考えないで決めつけていた人」の ちがいなら、聞いている人・読んでいる人には分かってしまいます。
だから、「作文の訓練」として「両方の意見の理由を考える」というのは、その「考えを深くする」練習になるんだ。
それに作文の問題で、自分の作文を書き始める前にも、
「まてよ。相手はどんな考えをしているだろうか?」
と、考えてみることが、大切になってくる。
そしてできたら、作文を書くとき以外にも、
たとえば
「食料は外国から輸入したほうがいいか、それとも自分の国で自給したほうがいいか?」とか
「ミサイルを打ってくる国とも仲良くしようとした方がいいか?」
……、といったことにも、あらかじめ両方の側の立場から考えてみてほしい。
さらに、この話はこれで終わりじゃなくて、