「カタログ」という概念
佐々木さん(佐々木正悟さん)、タスク管理ツール「タスクシュート」の共同開発者、という紹介でこの場合はいいでしょうか、が提唱している概念ですね。
私は、タスク管理に限らず、情報の整理をするときの全般に有用な考え方だと思っていますけど、今ひとつ、提唱者以外には言及する人がいないというか、広まっていない印象があるんですよねえ。そういうのが好きな人の界隈ですら。
集めた情報、取った記録、思いついたアイデアの、すべてが今のあなたに必要なわけではない。
あなたのもとに発生したときには、いくばくかの期待と未来のかけらと共にやってきたのであったとしても。
ある時期を過ぎたら、実質的には捨てるだけという処理もありえる。
例えば、冷蔵庫を新しく買う人は、複数のメーカーの冷蔵庫のカタログを、ひとまず “手元に” 集めて検討し、最終的には、そのうち一つに対してだけ、「買う」という実際のアクションを起こす。
他については、起こさない。
集めたカタログの商品全部を買う人はいない。
単なる、一次予選を突破した、候補者リストに過ぎない。
そういう情報は、「アーカイブ」ではない。「リファレンス」でもない。「いつかリスト」ですらない。ましてや、「タスク」ではもっとない。
(「ログ」では、少しあるかもしれないが)
自分の手の中にあるものって、なんか「大事な」ものの気がしてしまうけど。捨てるのは惜しい気がしてしまうけど。
過去の憧れのかけらに、いまが縛られる必要はない。捨てたって、悪いことじゃない。
使えないままの思いを、気になったまま、育たないまま、そっとしまっておいていい。