過去の物語を消したいわけではない
例えば私は、能天気で抜けたところのある主人公ばかりがもてはやされる物語に、世界からの疎外感を味わわされたし、類型化された「陰険なガリ勉めがね」キャラに自分の個性を傷付けられた感覚はすごくあるけど、「そういうものがこれ以上再生産されないように、これからの時代の倫理的コードを固めよう」とは思わないし、「古い時代に作られた古典的物語にそういうキャラがいるとして、その物語を現代のポリティカルコレクトネス下で放送するなら、そのキャラクターはもっと配慮した演出で、穏当なキャラクターにしないのなら再演しちゃいけないんじゃないか」とは思わないわけですよ。
たんに、これからの時代に作られる面白い新作で、そうでないものがいっぱい出てきたら嬉しいな、というだけ。