『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』の抜き書きメモ
『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』の抜き書きメモ
このようなスキャンダルが明らかになったとき、私たち人間は、犯罪者を庇った人々をまず非難しようとする。犯罪者を守り、あえて眼をつぶり、真実よりも組織的・金銭的な利益を優先させた人たちを糾弾し、沈黙の裏に隠れた共謀を探そうとする。しかしナサールの事件は、このような行動がいかに不適切かを私たちに改めて教えてくれる。ナサールを用語しようとした人々の多くは、感じゃの保護者だった。彼らは沈黙の共謀を企み、より大きな組織的・金銭的な利益を優先させようとしたわけではない。被害者は彼らの子供たちだった。(強調箇所は原文では付点で強調)P154/P451
「デフォルトでの信用するモード。⇒少し正常性バイアスとかに似ている。
当然、質問された被験者のほぼ全員が、自分の顔いっぱいに驚きの表情が張りついていたにちがいないと答えた。が、ちがった。シュッツウォールとライゼンザインは部屋の片隅にビデオカメラを置き――P194
眼を見開き、眉を上げ、ぽかんと口を開き、典型的な驚きの表情を作った人は全体のわずか5パーセントだけだった。三つのうちふたつの筋肉を動かしたのは、全体の一七パーセント。残りの被験者の顔には、このような筋肉の動きの組み合わせはほとんど見られないか、少ししか見られなかった。P195
ティム・レバインの実験のなかでもっとも不穏な結果が出たのは、嘘つきの映像を経験豊富な法執行官の集団――一五年以上にわたって尋問の経験がある人々――に見せたときだった。P222
ある面において、彼らの正答率は実際に高かった。典型的な態度で話す“一致”の発信者についてはベテラン尋問者たちの答えは完璧だった。
ところが“不一致の発信者の映像を見たときの彼らの成績は、目も当てられないほどひどいものだった。正答率はわずか二〇パーセントで、そのうち「誠実に振る舞う嘘つき」に対する正答率は一四パーセントだった。
⇒運否天賦の方がマシという……。
この結果が不穏なのは、“一致”の見知らぬ他人に対処するときには法執行機関の専門家など必要ないからだ。P223/451
私たちは、透明性についてのバカげた先入観を(なんの落ち度もなく)裏切る人々の集団を、組織的に差別する世界を作り上げてきたのではないか?P224
酒で近視眼
いったいどういうことだろう? アルコールは強力な薬物だ。酒は人間の「脱抑制」をうなごし、衝動や感情を抑え込むダムを崩壊させてしまうと考えられてきた。p249
心理学者のクロード・スティールとロバート・ジョセフスだった。彼らは“近視”という言葉を使い、アルコールには人間の感情的・精神的な視野を狭める効果があると主張した。
つまりアルコールは前面にあるものをより際立たせ、うしろ側にあるものをより目立たなくさせる。
一例を示したい。気分が落ち込んでいるとき、悩みが吹き飛ぶことを期待してお酒を飲む人は多い。
ところが不安を抱えた人がお酒を飲むと、かえってその気持ちが増すこともある。P250/451
むかしながらの脱抑制の理論のなかでは、酔っぱらったときに明らかになるのは、素面のときの自分を裸にしてムダなものを捨て去った自己だと考えられていた。P252
素の自分があらわになるーー。まさに、古代のことわざ「酒に真実あり」のとおり。
しかし、実際はその逆。人の性格を作り上げる決定的な要素となるのは、通常の状況下で衝動を抑え込もうとする葛藤のほうだ。p253
P328 ラクできれいで手軽な自殺法があると、自殺者は増える。
⇒だから、そういう手段を消したいくことで、「悲劇」を防ぐことができる。
⇒しかしそれは、当人にとって幸せなことなのだろうか?
犯罪を未然に防ぐべく、持ち物などのチェックをするとしたら、ほとんどの問題ない人に紛れて見逃しそうなサインを警戒しないといけない。
⇒シグナルノイズ比が変わらないまま感度を上げればノイズが増える。
そのような捜査は対象範囲を極度に限定して行う必要がある。全ての町の割れ窓を取り締まるべきではない。
そうしないと、操作する側と操作される側の信頼関係が壊れてしまう。
見知らぬ他人を理解するための探究には限界がある、と私たちは受け容れなくてはならない。すべての真実を知ることなどできるはずがない。私たちは、それ以下の何かで満足しなくてはいけない。p313
当時、故意にガスを使った自殺者の数は、事故による死亡者をはるかに上回っていた。にもかかわらず、報告書では自殺についてひとことも触れられていなかった。
p329
⇒いや、ちょっと待て、アメリカの自動車に対する警察の捜査権限は、単純に言って自由権の侵害なのでは?
訳注内の文より
「偽陽性」の判定をすることになる。それが干し草の針探しの常だ。誰かの荷物のなかに隠れた(めったにお目にかかれない)銃を見つけるためには、まずはたくさんのヘアドライヤーも見つけなくてはいけない。
⇒大迷惑を受けるヘアドライヤー持ち旅客者。
珍しいものを探すことには犠牲がつきもの。
from 2020/08/08-2020/08/11