ピアソンショック
かつて海外の著名な技術書の翻訳を数多く出版していたピアソン桐原(ピアソン・エデュケーション)が、2013年8月1日にPearsonグループからの離脱を機に技術書出版から撤退したことにより、同社から出版されていた技術書の多くが入手困難になってしまった事件。
ピアソンの技術書は書店在庫限りとの見通し。ピアソン桐原社がピアソングループ離脱で(追記あり) - Publickey
ピアソン桐原のPearsonグループからの脱退が明らかになった後に開かれたイベントでの 角谷信太郎と和田卓人の対談↓
https://www.youtube.com/watch?v=khNX9-4tpEU
和田卓人の証言
新訳版『テスト駆動開発』が出ます - t-wadaのブログ
1990年代後半から2000年代前半、良質な技術書が Addison-Wesley 社から多数出版され、それをピアソン・エデュケーションが短いタイムラグで旬のうちに翻訳して出版する時代がありました。ピアソン・エデュケーションは、多くのプログラマの学びを支え、道を示してきました。技術書にとって幸せな時代でした。 ピアソン・エデュケーションは2010年に桐原書店と合併します。そして問題の2013年、ピアソングループ離脱の際に、ピアソン桐原は技術書並びに翻訳等の業務から撤退し、ピアソン・エデュケーションが翻訳してきた名著達は全て絶版になってしまいました。 1990年代後半から2000年代前半にピアソンが出してきた書籍群には、現代のソフトウェア開発のスタンダードを作り上げた本が多数ありました。時間が経ったので準古典とはいえますが、失われるにはあまりにも勿体ない本たちです。そして、旧訳版『テスト駆動開発入門』も、絶版になってしまった本に含まれていました。
Takuto Wada on Twitter: "(トッパン|ピアソン)ショック、単に絶版、様々な要因でOOA/OODの書籍がほぼ死滅し、訳書が出るタイミングが遅かったDDD本だけがオーパーツのような存在になった結果、日本ではDDD ≒ OOA/OODになってしまったという奇妙な状況の背景の話をした #teppeis_sushi"
Takuto Wada on Twitter: "ピアソンショックやその後の絶版で OOA/OOD/OOP 関係の主要な本が日本からほとんど姿を消してしまい、翻訳出版がかなり遅れた DDD だけが目立った生き残りである関係で特別のもののように見えていますが、 DDD の実装部は普通の(さらに言えば 2004 年の) OOP です https://t.co/KoEnK4GTQB"
ピアソンショックの影響を受けた代表的な書籍
『テスト駆動開発入門』
『テスト駆動開発』として後に再翻訳されて出版
『データベース・リファクタリング』
『リファクタリング : プログラミングの体質改善テクニック』(原書第1版)
後に『新装版 リファクタリング 既存のコードを安全に改善する』として別の出版社から再販
『XPエクストリームプログラミング入門』(原書第1版)
原書第2版の翻訳が『エクストリームプログラミング』として出版されている
『達人プログラマー システム開発の職人から名匠への道』
後に『達人プログラマー』として別の出版社から再販
『Effective Java』
後に別の出版社から再販
『オブジェクト指向のこころ 』
後に別の出版社から再販
『人月の神話』
後に別の出版社から再販
『計算機プログラムの構造と解釈』
後に別の出版社から再販
『詳解UNIXプログラミング』
後に別の出版社から再販