ダブル・ループ学習
学習に二種類あることは、広く認められている。一つは、既存の大きな認知枠組みを疑わずに、それを前提にした小さな問題を解くためのノウハウを得ることである。もう一つは、既成の認知枠組み(パラダイム、スキマータ、メンタル・モデル、パースペクティブ)などを乗り越えて、新しい枠組みを打ち立てることである。これらは、それぞれ「学習Ⅰ」と「学習Ⅱ」(Bateson, 1973)あるいは「シングル・ループ学習」、「ダブル・ループ学習」(Argyris and Schön, 1978)と呼ばれる。我々の観点から見れば、知識が創られるときは、この二つの学習が相互に作用し合い、ある種のダイナミックなスパイラルを形成するのである。