ダブル・ループ学習
Chris ArgyrisとDonald A. Schönが1978年の著書『Organizational Learning: A Theory of Action Perspective』で提唱した概念。
学習に二種類あることは、広く認められている。一つは、既存の大きな認知枠組みを疑わずに、それを前提にした小さな問題を解くためのノウハウを得ることである。もう一つは、既成の認知枠組み(パラダイム、スキマータ、メンタル・モデル、パースペクティブ)などを乗り越えて、新しい枠組みを打ち立てることである。これらは、それぞれ「学習Ⅰ」と「学習Ⅱ」(Bateson, 1973)あるいは「シングル・ループ学習」、「ダブル・ループ学習」(Argyris and Schön, 1978)と呼ばれる。我々の観点から見れば、知識が創られるときは、この二つの学習が相互に作用し合い、ある種のダイナミックなスパイラルを形成するのである。
(『知識創造企業』p.64)
『エンジニアリング組織論への招待~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』の150-151頁でも言及されている。
fukabori.fmの51. 組織学習、心理的契約、エンゲージメント w/ tomomiminabe | fukabori.fmでは、組織学習とは何かという文脈で、シングル・ループ学習との対比で、ダブル・ループ学習をすることが組織学習をもたらすと言及されている。
シングル・ループ学習とダブル・ループ学習という枠組みを更に発展させたものとして、Richard P. Nielsenらによるトリプル・ループ学習の議論がある。