井出穣治『フィリピンー急成長する若き「大国」』
「東アジアの奇跡」に取り残されアジアの病人とまで言われていたが、21世紀からの成長は著しく、世界経済の停滞とも無縁
一般的には農林水産業→製造業→サービス業の順に成長を牽引するが、製造業が発展するステップを踏まずにサービス業主導で高度成長を実現している
アジア全体はこれから高齢化するが、フィリピンは2050年まで人口ボーナス期が続く
現状は必ずしも人口ボーナスの恩恵を十分に受けているとは言えない
高い英語力を活かして労働力を輸出している
1982年から海外雇用庁があり、海外就労サポートを国として奨励している
コールセンターなどのBPO産業も強い
インフラには課題が多い
特に電力
自然災害のリスクも高い
ドゥテルテ大統領は超法規的措置で麻薬犯罪者を殺害したり過激な言動で知られるが、経済界の評価は高い
様々な課題が解決されれば2050年には高所得国規模に成長するが、課題の克服はそう簡単ではない
植民地時代の負の遺産
日本との関係は友好的
和解したとは言え第二次世界大戦終戦までの加害の歴史を忘れてはいけない
フィリピン全土でのフィリピン人犠牲者数は約111万人
当時の人口は約2000万人