ITツールについて
基本的には「ペーパーレス」「テキストコミュニケーション」がキーワードと思う。
特に後者については、はてなグループ利用の経験がある人はラッキーといえる。今のITスタートアップ企業の一般的なコミュニケーションスタイル、または情報共有のスタイルはそれにとっても近いから。
はてなグループが良かった点は、色々研究したんだけどざっくりいうと「ブログ様の個人スペースがベースで、粒度や内容を気にせずなんでも書けること」と「はてなキーワードによる連結」に尽きると思う。これがあるおかげで、従来のWikiベースの情報共有にありがちな「どこの階層に書けばいいんだっけ?」も起きないし「階層に無い内容を書く場所がない」とか「雑な内容を書く場所じゃない(ので書かれない)」ということが起きない。
なので、とにかく「雑な情報のシェア」が起きる。これが良くって、そうすることで「誰にも必要とされていない情報」が場に出せるようになる。実は「誰が必要か発信者が認識している情報」って価値は低くて、なぜならそれはほっといても共有されるから。実際には「本人でさえ「出す必要がある」と認識していない情報」のほうが潜在的な価値を持っていることが多くて、それが実は他の人にとって有用なものであったり、想定していなかったシナジーが生まれたり、結果的に情報共有から得られるメ価値が増えてくる。
古くは電話や手紙とか、情報発信・共有のコストも高かったので「必要な人に必要なことを届ける」情報共有がベストだったけど、ITツールでその発信コストが大きく下がった今、無駄な情報も含めてとにかく場にたくさんの情報を出させることが大きなポイントなんですな。
そういう状況が、はてなグループやその後フォロワー的ツール(Qiita:Teamとか)が受け入れられた価値だと考えています。
というわけで、いろいろなツールを選定する上でそんな世界観が頭にあると、センスいいチョイスができるかもしれない。
ツールの種類
今(ってこともないけど)IT系の企業で主流な考え方は大きく2つある。
オールインワンなビジネススイート
これまでの定番。サイボウズや、Atlassian製品群など。これ一個で全部まかないます系のツール。
一つのツールですべて済むので利用者の負担は少ない。サポート窓口も一つで済む。
反面、専門ツールに比べると個々のタスクをこなすための仕組みは弱くなりがち。
Slack等のコミュニケーションツールを通知ポータルとした、機能別に各サービスを連携させるスタイル(ChatOPSとかいうかも)
今のスタートアップはだいたいこれ。
例えば:
ChatはSlack
WikiはQiita:Team
タスク管理はTrello
出退勤はJobcan
経費申請はMFクラウド
人事情報はSmartHR
開発のチケット管理はGithub
カレンダーはGoogle Calendar
etc...
という各サービスの通知がすべてSlackに来る。
Slackがインタフェースになって各種サービスを使うようなイメージ。
個別に良いツールを選べるので各タスクの体験は最適化される。
ただし、大量のツールの使い分けが必要なのでリテラシーは求められるなど利用者には負担がある。
使うチームのリテラシーや事業規模によって選べばいいと思う。
先に書いた内容を踏まえていうと、それでも「どれだけオンラインに情報を載せられるか」は大事にしたほうがいい。
例えば、「個々人のデスクトップにエクセルファイルがたくさんある」みたいな状態は避けるようにしたい。
できるだけGoogle Spreadsheetを使ってもらうとか、Excel使うにしても作成したファイルは必ずGoogle Driveで共有するようにする、とか。あとから誰でも検索可能であることとか、その人の活動が可視化されていることにもつながるので、その点はこだわった方が良いかなと思います。
うちで使っているツール
チャットツールとして
上述したように、通知センターとしても機能させている。
はてなグループ中心にやりとりしてる感覚と似てると思う。当時はIRCとかあったっけね。。
情報共有ツールとして
思想は色々と異なるが、出来ることベースでは今の所それほど差はない。
Qiita:Teamとかよりはやれる事が多いツールたち。Backlogは日本製で使っている中小企業も多い。Confluenceも最近アップデートでUIが刷新された。サイボウズも国内中小企業向けに実績は多い。
今送ってるこの記事を書くのに使ってるツール。とにかくアイデアを書き出すのにめちゃくちゃ優れている。複数人での同時編集も可能。
ちょーっとリテラシーは必要なので手放しでおすすめはでいないけど、大量に情報が出てくるといろんな情報が繋がりだすところが斬新で面白い。メモをたくさん貯めていくと勝手に資産になっているというようなイメージ。
ちなみに、京都の nota (gyazo とか作った会社) が作っているよ。
タスク管理ツールとして。とてもシンプル。あまり複雑なことはできない。
Backlogはプロジェクト管理ツールなので、タスク管理系の機能は豊富だと思う。
バックオフィス系
勤怠管理。ベストではないけどまぁ。。他にも色々競合ある。
経費精算、ワークフローなどに。
人事・労務系
年末調整とかぽちぽちですんで楽。
ちんねんくんやってたのこれだw
契約書の類をクラウド化できる。例えばNDAとかもメール一通送って完了できる(押印とか不要)
Googleの各種オフィスツール。独自ドメインのメールアドレスも発行できるので基本的なIT基盤はこれを選ぶチームも多いと思う。弊社もそう。
Google Drive
ドキュメント管理に使える。MS Officeのデータとかも閲覧できます。
基本ここに上げてもらって、共有用のURLをシェアする形にすれば、直接ファイルを送り合うようなことを避けられる。
Google Calendar
定番ツールですね。
Docs/Spreadsheet/Slide
MS Officeがやはり定番だし、例えば数値解析系とかはExcelじゃないとデータ量に制限あって厳しい、とかはあるんですが、寄せれるならGoogleに寄せてしまったほうが情報共有のしやすさは圧倒的。
サポート対応の窓口として。会社共通のメールアドレスの管理にも。
パスワードを管理してくれるツールのチーム向けバージョン
メンバー間で共通して使うツールがあると、こういうパスワードマネージャがあると便利。
パスワードジェネレータがあるので、セキュアなパスワードをメンバーに使わせることができる。
他、個人的に使ってるツール
オンラインホワイトボードツール
マインドマップツール
このへんがあると、リモートでブレストっぽいこととかしやすい。