隠れたカリキュラム
潜在的カリキュラムの内容は、 暗黙のうちに子どもに強要され、 暗黙のうちに子どもに了解されているということ。 例えば、教師を尊敬するという態度、 退屈さに耐える力、座ったまま沈黙を守るという態度、 衆人環境のなかで自己表現・自己防衛する知恵など、 教育関係を存立可能にしている基本的条件である。 このカリキュラムは、教育関係、 教師と子どもとの権力関係(上下関係)のなかで、子どものなかで学ばれてきた。 隠れたカリキュラムとは、学校のフォーマルなカリキュラムの中にはない、 知識、行動の様式や性向、意識やメンタリティが、 意図しないままに教師や仲間の生徒たちから、 教えられていくといったものをいう。 「隠れたカリキュラム」という表現自体は、 教育学者のフィリップ・W・ジャクソンが、 初めて自分の造語として使ったという。 そのすぐ後、MITのベンソン・シュナイダーが、 "The Hidden Curriculum"隠れたカリキュラムというタイトルの著書を刊行し、 問題を抱えた生徒、学生やエリート志向の強い生徒、 学生の実例を分析し、この言葉を広く広めた。 教育困難校における負け犬意識の染み付いた生徒や、 有名進学校のエリート意識の固まりのような生徒から、ある特定の学校の校風に染まった生徒など、学 校という制度を通しての社会化の特殊なものをいう場合に、 社会学、教育社会学の分野でよく用いられる用語である
参考