行動の型を守らせる儀式の特色
人々の道義心を眠らせないための、社会の伝統的な工夫の一つは、儀式である。儀式で「集団的承認」(collective sunction)を伴った指令的発言を行うと、人は「行動の型」(patterns of behavior)を守るようになるのである。
例えば、結婚式での宣誓やスポーツ大会開会式での選手宣誓等がこれに当たり、これによって結婚したものは社会から期待されている節操という行動の型を、選手は不正をしないという行動の型を守るようになるのだ。
7つの特色
1.強い印象を与えるために、大げさな用語、古めかしい用語など、感化的内包を持つ語が使われる。
2.祈りや呪文を唱えることで、超自然的な力による加護や罰を求める。
3.法律を定めて、約束を守らない場合の罰を、現実に与える。
4.肉体的苦痛を伴うような儀式を、宣言の前に行う。
5.盛大な行進、仰々しい衣装、特別な音楽、参列者の起立、など印象を強める演出がなされる。
6.誓いの直後には、酒宴、踊り、その他の喜びを表明する会合が開かれる。
7.特別な儀式を行わない場合は、簡略化した式を頻繁に繰り返したり、標語を掲示して印象づける。
出典