睡眠
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「まず最初に、すべてのニューロンが静かになる状態が観察されます」と、ルイスは説明する。すべてのニューロンが一時的に発火をやめるため、必要とされる酸素量が減少する。これは脳への血流量が少なくなることを意味する。そして、その空白を埋めるように、脳脊髄液が大量に流れ込む様子が観察された。
覚醒時には、すべてのニューロンがオン/オフを同期することはない。つまり、起きているときには脳血流量が十分に下がらないので、脳脊髄液の大きな波が脳内を循環し、蓄積したβアミロイドなどの代謝副産物を洗い流すこともない。
睡眠中には脳内から“毒素”が洗い流される
睡眠の機能はいつの時代も科学者の興味をひいてきたが、睡眠は今なお大きな生物学的謎であり、根本的な疑問は未解決のままである。神経生理学観点からいえば、睡眠は脳の特殊な覚醒状態とされる。意識を明晰に保つために十分な睡眠が必要なことは、脳研究に頼るまでもなく明らかであり、睡眠が生命維持に欠かせない役割を担っていることは改めていうまでもないだろう。身体機能の多くが覚醒中に修復可能なのに対し、脳の皮質の機能については睡眠でしか修復できないということは、研究者の意見が一致している(Horne, 2000)。睡眠の質は健康と密接に関わっており、睡眠不足は気分(Porlstra, 1984)や行動'Dahl and Puig-Antich, 1990)に悪影響を与えることもある。潜在的な睡眠障害は、心理的症状につながるケースもある(Reite, 1998)。
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産業革命以前のヨーロッパでは人々は夕暮れから2時間ほど寝て覚醒し1~2時間ベッドの中にいて、その後夜明けまで寝る二段階に分けて睡眠をとるバイモーダル睡眠が一般的であったとのこと。17世紀後半から20世紀初めにかけて現在の睡眠をまとめてとる習慣に移行した。
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