目標管理制度(MBO)
目標と自己管理によるマネジメント
Management by Objectives and Self Control
Management by Objectivesと表現している人はあまり理解していないか故意犯。
人のバグに対応していない
多くの人が自分は平均以上と答える。つまり率直な評価をすると人は自己認識とのギャップによってショックや不満を持つ。自分を適切に評価できないから、適切な評価をしても不満になる。
この人間の認知機能のバグを踏まえた目標管理でなければならないが、現在の実装を見るとだいぶ道のりは遠い。
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成果の定義が曖昧だとMBOも機能しない。
この制度のもとでは、社員が自ら目標を設定し、その達成度合いに応じて上司による評価が行われることになっていますが、現状では、上司は部下の自己評価を単に修正する程度で、制度そのものがすっかり"儀式"と化しています。
日本企業のMBOでは、平均点の社員、つまりS・B・C・Dの五段階評価でいうと「B」の社員がやたら多いというおかしなことも起きています。近年は各企業とも評価に差をつける「メリハリ評価」の実施をうたっていますけれども、現場のマネジャーは部下にSやDはほとんどつけず、AやCも少なくて、全体の六割ぐらいをBが占めていたりするのです。
B評価はつける側も気が楽ですし、つけられる側も自分はマジョリティの中に入っていると思えて安心できますから、そんな現象が生じてしまうのかもしれません。
その一方で、現行のMBOでは「あいつは頑張っているから、高い評価を与えておこう」といった印象評価もまかり通っています。この場合の「頑張り」もアウトカムではなく、インプットです。
出典
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日本の90年代以降に導入された成果主義のMBOは、魔改造されたもの。ボーナスの原資が決まっているから、個人が達成しても組織で赤字ならボーナスに繋がらなかった。大変不評だった。 社員同士を競争させることで業績が上がるやり方だった時代、バブル時代の銀行とか、社内競争のほうが社外競争よりも厳しいときに行われていた
1970-80年代にMBOの前段として能力主義が入った。能力主義とは経営陣から見たら、従業員が能力に基づいて給与アップを諦めてくれる、人件費のコントロール方法。1960年代に給与が伸び続けて悩んでいたところ、能力主義やMBOをもちいて、給与アップを諦めさせる方法が悪用された。
モブ目標設定のすゝめ