消費電力
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米Microsoftは「Microsoft Teams」のパフォーマンス改善に取り組んでおり、2020年と比較してミーティングでの電力消費を半減させることができたという。2月9日付けで「Microsoft Tech Community」に公開した記事で、その詳細が解説されている。
「Teams」ミーティングではグループビデオ通話や画面共有など、エネルギーを大量に消費するプロセスを多く伴う。コンテンツのキャプチャー、エンコード、レンダリングなどがそれだが、まずはどのプロセスが電力消費し、どこを最適化できるのかを特定するため、プロセスの消費電力を正確に測定するテストフレームワークが作成された。
その結果、まずフォーカスされたのがビデオキャプチャーのプロセスだ。ここではCPU負荷を軽減するためのカメラの最適化、設定の改善、自動露出・自動ホワイトバランス・自動エイリアスに関するコードの簡素化、オンボードカメラの消費電力の削減、安定性の向上、顔検出プロセス改善などに重点が置かれたという。
次に、ビデオのレンダリングで集中的な改善が行われた。多数の参加者がいるミーティングでは、その人数分のビデオストリームを受信し、レンダリングする必要がある。しかし、受信したビデオの解像度が異なる場合、クライアント側でそれぞれをリスケールしなければならない。その負荷は無視できない大きさで、たとえば3×3のシンプルなグリッド表示を行う場合でさえも、9つの異なるレンダリング処理が必要となる。
そこで同社はストリームを合成してビデオレンダリングのプロセスを1つにするした。これにより、それぞれのデバイスが消費する電力を大幅に削減できたとのこと。
「Microsoft Teams」のパフォーマンスが改善、2020年比で電力消費を最大半減
table:消費電力
Mac miniモデル 待機中の電力消費(W) 最大電力消費(W) 待機中の熱出力(BTU/h) 最大熱出力(BTU/h)
2020, M1 7 39 23 133
2018, 6-core Core i7 20 122 68 417
2014, 2-core Core i5 6 85 20 290
2006, Core Solo/Duo 23 110 79 376
2005, PowerPC G4 32 85 110 290
歴代Mac miniの電力消費と熱出力を比較。M1チップの優れた省電力性能が明らかに
省電力
https://gyazo.com/8c3229b09de7fe5fbfdb6a9676d730bc
最近の自動運転用AIプロセッサーは演算性能に対する要求がうなぎ上りに高まっている。1年ほど前までは演算性能が100TOPSもあれば十分とみられていたが、最近では1000TOPS分のプロセッサーを実装した車両も発表された。その一方、単位消費電力に対する演算性能(省電力性能)は1T~2TOPS/Wの壁をなかなか越えられず、AIチップの消費電力が数百~1kWを超えてくる懸念が出てきていた(図33)。これでは、EVの電池容量の相当量をAIに費やしてしまい、航続距離に大きく影響しかねない。
この省電力性能の壁を、量産を見越した製品として初めて大きく破ったのがルネサス エレクトロニクスだ。2021年2月に開かれた半導体回路の国際学会「2021 IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC 2021)」で13.8TOPS/Wという高い省電力性能のAIプロセッサーを発表した。少なくとも省電力性能で米NVIDIAやTeslaのチップに大きく差をつけた格好になる。実際の演算性能は60TOPSとやや小粒だが、複数枚を使うこともできる点で、使い勝手がよいともいえる。
消費電力は約4Wで、25Wという空冷か水冷かという境となる消費電力を大きく下回った。空冷であれば、走行中に自然に取り入れられる空気を通せば済む。ところが、水冷が必要となると、車両ではそのための仕組みがやや大掛かりになる上に、水冷システムの駆動自体にも電力を費やしてしまう。
大幅低消費電力化で進展、ルネサスなどが壁破る
Google Chromeにバッテリ動作を2時間延ばす試験的機能