決定管理
議事録駆動
社内では日々、多くの打ち合わせが行われています。ところが、打ち合わせの外の人たちへに共有される情報は限られています。
この投稿は、打ち合わせを取り巻く状況と派生する問題、問題を簡単に解決する工夫です。
問題(どのような結果を変えるか)
・打ち合わせ参加者が互いに同意をしたと思っていたことが、実は異なる意見を支持していたという認識の不一致が起こります。例えば居酒屋のおっちゃんはよく「うんうん、そうなんだよねー」と言い合っていますが、各々は別の事柄を話していることがあります。
・認識のバラツキが大きいままで情報を打ち合わせの非参加者に伝えると、さらに認識のバラツキが大きく伝わることがあります。好ましくない結果として、手戻りやトラブルに発展します。
状況・経緯
・仕事を進める上で、打ち合わせに参加、非参加であるに関わらず、打ち合わせで話された情報が必要です。
・打ち合わせ内では参加者同士によって様々な意見や合意のやりとりが行われます。
どのような会話や意志決定が行われたのかは、打ち合わせ非参加者には分かりません。参加者から伝えられた情報が全てです。ところが打ち合わせ非参加者にとって、打ち合わせ内で話された全ての情報が必要なわけでもありません。
・仕事によって、打ち合わせに参加していない人にも協力を求める必要があります。打ち合わせに参加していない人にとって、経緯や判断基準が分からないと作業の目的が定まらないため、どのような観点で協力すれば良いのか悩んだり誤解が生じます。
・議事録があるのは、ある参加者の善意でとられている場合と、議事録をとるルールがある打ち合わせに限ります。その他の多くの打ち合わせでは、数日後に必要になってから思い出されて仕事に必要な情報が伝えられます。思い出しによる情報の質は、その人の記憶力や打ち合わせ時の認識力に依存してしまいます。忘れると、良くないことが起きます。
解決策(どうやって変えるか)
・打ち合わせ前に、打ち合わせ後に必要な情報となるであろう議題を事前に準備し、議事録をとりやすくする。
・打ち合わせ開始時に「私が議事録をとります」と宣言する。
・打ち合わせ後に、求められる成果物に集中して記録する。例えば「決定したこと、未決定である決定する必要のあること、後で決めること」といった項目である。
検討の記事録
・案件をスムーズに進める上で、未決定の判断や、懸念事項の解消の打ち合わせで用います。
決定したこと
決定の理由
決定する必要のある未決定なこと
次にやること
今は考えなくてよいこと
「決定する必要のある未決定なこと」がたまると進まなくなる。
コントロールできる程度の量に維持するのがポイント。
もっとよくするには
「決定されたこと」といった受動態表現ではなく、「決定したこと」といった能動態にしましょう。もし自信がなく、受け身の表現をしたくなるのであれば、参加者に懸念していることを確認しましょう。
要求定義の記事録
要求定義とは、関係者が同じ方向を向いて案件を進めるために効果的な7つの観点をまとめた定型文書です。
・案件のスタート時や、くだぐだになった案件を立て直すタイミングで用います。
要求・要件・案件名
経緯
目的
成果物
成功基準
何を変えるか
何に変えるか
どうやって変えるか
どうやって変えるかの段取りをいつ作るか
ふりかえりをやる日
より仕事がスムーズに流れるようにするための追加要素
着実に進みやすくする要素
・期日を明確にする
・担当者を明確にする
・行き詰まったときに助けを求める先を明確にする
無駄を取り除いたり、効果を高めたりする要素
・経緯や理由を加える
※要求定義の経緯とは異なり、ここでは個別の判断に対する経緯です。それぞれの決定・やること・未決定で出てきた項目単位に対して理由や経緯も文章として明らかにします。ちゃんと実践するためには議事録をただとるだけでなく積極的に会話に入って議論を明確にするといった司会者の動きをする必要があります