構造的責任回避
・状況を軽視した依頼がある
・状況を軽視した依頼の結果生じる不都合に対して、依頼者が不満を持つ
・依頼の受領者は、状況を鑑みずに不満を表明されることに不満を持つ
・この互いの不満は公の場では交わされず、相手のいないところで愚痴や不満の形で表現される
メカニズム
・状況を軽視して依頼することは起きうるが、その結果生じた不都合に関して依頼者が一方的に不満を表明するという、依頼者の責任回避がある
・依頼の実行が難しい状況と分かっているにも関わらず、素朴に依頼を受け、不十分な対応になり、不満を言われたことに不満の反応で返す受領者の責任回避がある
・この双方の責任回避の結果、構造的に責任回避が発生し、パターンとして繰りかえし強化される
例1 タスクを隙間時間で対応する
・上長から調査の依頼が来る
・現場の状況はタスクで一杯であり、隙間時間で対応する
・隙間時間で対応するため、時間がかかったり、質が低くなる
・依頼者は、遅さや質に不満を持つ
・受け手は、「依頼者が遅さや質に不満を持つこと」に不満を持つ
・一方で、この不満は話されることはなく、巧みに回避される。話すということを話題にすることすらもタブー扱いされる
・相当共に相手の責任であると考え、自分の行動は鑑みられることはまれである。
例2 タスクができない
・上長から原因分析の依頼がくる
・現場の状況はタスクで一杯であり、そもそもやりたくても実施できない
・依頼者は、実施されていないことに不満を持つ
・受け手は、「依頼者の不満」に、不当性を感じて不満を持つ
・一方で、この不満は話されることはなく、巧みに回避される。話すということを話題にすることすらもタブー扱いされる。
・相当共に相手の責任であると考え、自分の行動は鑑みられることはまれである。
※たとえば事業分析や根本解決の依頼は正統な主張であるがゆえに、実施可否の検討は放棄されがちである。それは正当性を感じる依頼に対して、自分の考えや懸念をうまく表現することは難しいからである。
防衛的反応の連鎖、そして停滞
・互いの不満は当事者間で話されることはなく、巧みに回避される。話すということを話題にすることすらもタブー扱いされる。
・相当共に相手の責任であると考え、自分の行動は鑑みられることはまれである。
解決の方向性
・他己信頼、会社信頼の醸成による高信頼組織を目指す
・具体例互いの望みと状況、不満を互いに表明し、解決策を丁寧な協働によって導いていく