構成主義
構成主義にとっての学び
構成主義は、他者や環境から獲得する情報の受け身的な内在化(internalization)ではなく、心的構造の主体的創造として学びを捉える。
構成主義の創始者であるジャン・ピアジェは、すべての学びはスキーマ(schemas)とよばれる心的対象の構成に媒介されていると論じた。 出典
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過去数十年の学習過程に関する議論を振り返れば、二人の神経生物学者、マトゥラナ(Maturana)とヴァレラ(Varela)が現在の構成主義学習論の創始者であると考えられる(Siebert, 1998参照)。両者の中心的な知見が構成主義学習論の礎石となっており、そた、それらは現在の脳研究によって立証されてもいる(たとえば、Spitzer,, 2002; Siebert and Roth, 2003)。
一言でいうなら、構成主義的観点から見た場合、学習は常に個人的に、そして経験に基づいて起こる。新しい知識は必ず既存の知識を再活用し、既存の知識を変化させたり分化させたりすることもある。こうした知識の拡大は、新しい経験を通して、あるいは、他者と相対して自身の認知構造を批判的に考えることを通して起こることである。こうした点から、学習機会の組織化について、次のような具体的な要件を導き出すことができるであろう(Toppelt and Schmidt, 2005参照)。
・知識の創出は、教師のみが主導できるというものではなく、学習者も常にその責を負うものである。教師は学習資源を提供し、学習を活性化するような環境を整えることがその責務である(説明的な教授法もなお重要ではあるが、主要な要素ではない)。
・社会的な交流は学習過程に有効に働くので、推奨されるべきである。
・同様に、問題志向の学習が望ましく、そうした学習は応用重視の知識の創出に役立つ。
・新しい学習方法は、常に個々人の既存の知識を再活性するものでなければならない。構成主義的原理に基づいて組織されたクラスでは、たとえば、学習者が学習に先立ってテーマに関連する自分の経験や意見、考え方を詳述するよう促される。
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