方法序説
明証的に真であると認めたもの以外、決して受け入れないこと。(明証)
考える問題を出来るだけ小さい部分にわけること。(分析)
最も単純なものから始めて複雑なものに達すること。(総合)
何も見落とさなかったか、全てを見直すこと。(枚挙 / 吟味)
私が明証的に真理であると認めるものでなければ、いかなる事柄でもこれを真なりとして認めないこと
検討しようとする難問をよりよく理解するために、多数の小部分に分割すること
もっとも単純なものからもっとも複雑なものの認識へと至り、先後のない事物の間に秩序を仮定すること
最後に完全な列挙と、広範な再検討をすること
近代においては、還元主義を生むきっかけとなった考え方は、デカルトにより1637年に刊行された『方法序説』の第5部において提示された。デカルトは、世界を機械に譬え、世界は時計仕掛けのようであり、部品を一つ一つ個別に研究した上で、最後に全体を大きな構図で見れば機械が理解できるように、世界も分かるだろう、という主旨のことを述べた。(ただし、デカルト自身は、正しく理解するためには一つたりとも要素を脱落させてはいけない、といった主旨のことも他のくだりで述べていることに注意する必要がある。)
デカルトが「分解し、網羅的に調べ、後に統合する」という考え方であったのに、後に別の人々によってこの前半の「分解」ばかりが強調され、しかも一部の要素だけに言及してそれだけで事足れりとする者が現れ、還元主義となってゆくことになった。
デカルトの方法序説の誤解
p45
1.独断と偏見を避けよ
2.問題をできる限り小分割せよ
3.階段を上るように単純なことから複雑なことへと思考を進めよ
4.全体にわたる見直しをせよ